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相撲“稀少技”とプロレス技の関係序説

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「知らなかった相撲の決まり手ランキング」
 特に相撲ファンではない私も知らなかった技が多いのですが、一部は知っていました。そして説明図によると見覚えのある技が少なくないようです。
 私はプロレスファンなので、プロレスのリングで時折見かけるのですね。
 日本のプロレスの祖・力道山は関脇でしたし、馬場・猪木時代にも角界出身レスラーは多かったのですが、最近では天龍源一郎(前頭筆頭)、田上明(十両・玉麒麟)、安田忠夫(小結・孝乃富士)などがいるものの、すっかり少数派になってしまいました。
 とはいえ、プロレスには相撲の遺伝子が今でも生きているようなので、相撲の稀少技とプロレス技の関係を少し見てみましょう。

1 ずぶねり
2 撞木反り(しゅもくぞり)
3 伝え反り
4 波離間投げ(はりまなげ)
5 小褄取り(こづまとり)
6 褄取り(つまとり)
7 後ろもたれ
8 居反り(いぞり)
9 徳利投げ(とっくりなげ)
10 たすき反り
11 渡し込み
12 網打ち
13 素首落とし
14 ちょん掛け
15 掛け反り(かけぞり)
16 合掌捻り(がっしょうひねり)
17 三所攻め(みところぜめ)
18 櫓投げ(やぐらなげ)
19 二枚蹴り
20 大逆手(おおさかて)
21 呼び戻し
22 割り出し
23 外無双
24 裾取り(すそとり)
25 腕捻り(かいなひねり)
26 極め出し
27 河津掛け(かわずがけ)
28 巻き落とし
29 掛け投げ
30 引っ掛け

1の「ずぶねり」は横綱双羽黒こと北尾光司が、プロレス転向前に必殺技だと東京スポーツ紙上で語っていたことがありましたが、結局プロレスのリングでずぶねりが話題になることはありませんでした。相手の胸に頭をつける体勢は、北尾のような長身選手には却って不利という気もします。
2の「撞木反り」はバックフリップですね。田上明が若手の頃によく見せていた他、新日本の蝶野正洋も得意技にしています。
4の「波離間投げ」は敢えていえば、サイドスープレックスの体勢に近いかなあ。ただサイドスープレックスは胴をホールドして相手を背中から落とすように後方に放り投げます。アマレス出身のジャンボ鶴田が時折見せていましたね。
5の「小褄取り」の体勢から自分から倒れこむようにして、捻りを加えればドラゴン・スクリューで藤波辰爾の得意技として有名。95年の新日本・Uインター対抗戦で、武藤敬司が高田延彦に決めた一発は歴史に残る名場面でした。
6の「褄取り」はアマレスではよく見かけますし、プロレスでもこの体勢から逆エビ固めに持ち込んだりしますね。
7の「後ろもたれ」のように、バックを取られた選手が相手をコーナーポストに押し込んだりするのもよく見る光景。
8の「居反り」は初代タイガーマスク(佐山聡)のライバルとして知られた小林邦昭が82年に初公開したフィッシャーマンズ・スープレックス。その後も小川良成などジュニアヘビー級の選手がよく使うイメージがあります。
9の「徳利投げ」は首投げに近いのかなあ。プロレスで相手を横にする場合の定番ですが、こんなに正面からきれいに決まることは滅多にありません。大相撲出身の力皇猛(前頭・力櫻)が「合掌落とし」と称している技がこれに近いようです。
10の「たすき反り」は2に似ていますが、この体勢はアマレスの「飛行機投げ」に近いですね。馳浩(現・衆院議員)、中西学などアマレス出身の選手がこのムーブを見せます。このまま横に倒れこみ、相手の頭部にダメージを与えれば、デスバレー・ボムになります。
11の「渡し込み」は片足タックルというアマレスの基本技。ボクシングの亀田大毅がこの技をチャンピオン内藤大助に仕掛けて反則負けしたのは記憶に新しいところです。
12の「網打ち」は相手の腕関節を極めて投げているようなので、アームロックと言えるかな。合気道あたりにありそうな技です。
13の「素首落とし」は後頭部へのエルボードロップですが、危険過ぎるせいかプロレスラーはこの体勢では余りやりませんね。ボクシングでも後頭部へのパンチは禁止のはず。相撲の危険さが現れている技と言えるかも知れません。
16の「合掌捻り」はベアハッグの体勢に似ています。プロレス界ではベアハッグは相撲の「さば折り」がルーツと言われていますが、形としてこちらの方が近いですね。ベアハッグはこのまま投げずに締め上げてギブアップを狙い、ストロング小林、北尾光司など怪力レスラーが得意としていました。
18の「櫓投げ」は相撲でも柔道でもありそうです。相手の股に足を差し入れて持ち上げるというのはプロレスでもある動きで、ドリー・ファンク・jrがロープを利用しつつジャイアント馬場にこれを仕掛けて場外に落として骨折させてしまったことがあります。
19の「二枚蹴り」は柔道の支え釣り込み足らしいですね。柔道出身の選手は無意識にやってそうです。
21の「呼び戻し」は大相撲出身の大黒坊弁慶(十両・花嵐、本名・小谷一美)の得意技。プロレスのフロント・スープレックスでもこのような体勢になる瞬間はあるのですが、後ろ反り投げなので投げ方が異なります。
23の「外無双」はアマレスにもある技で、アマレス出身選手は当然使いこなします。
25の「腕捻り」は“鬼嫁”北斗晶の旦那としても有名になった佐々木健介の「逆一本背負い」に似ているように見えますが、もう一つ自信がありません。滅多に見れませんが相撲にも「一本背負い」という決まり手はあるのだそうです。
26の「極め出し」は相手の前から両腕を抱え込んで関節を極めているように見えますが、この体勢から相手を自分の後方に投げるという荒業を見せたのは豊田真奈美で、「フロント・フルネルソン・スープレックス」という名がついていました。若い頃の豊田はあらゆる体勢から投げをうっていましたね。UWF時代の鈴木みのるも似た動きを出したことがあるそうです。
27の「河津掛け」はジャイアント馬場の得意技で、自らも倒れこみながら相手の後頭部に確実にダメージを与えていました。最後は16文キックでフォールを取ることが多かったのですが、晩年にはその前に出す河津掛けが、実質的なフィニッシュホールドになっていたと言えるでしょう。
29の「掛け投げ」は柔道の内股で、プロレスでも四つに組んでから見られる基本動作と言えるでしょう。
30の「引っ掛け」はプロレスでよく見る「相手をロープにとばす」体勢に似ていますね。
(写真左:マイク・ロトンドのバック・フリップ。写真中:太陽ケアのフィッシャーマンズ・スープレックス。写真右:アントニオ猪木の河津掛け)

 このようにプロレスと相撲の動きは重なる部分があるのですが、相撲技が今でも「決め技」になっている例は多くないようです。理由としては、相撲では相手を横にすれば試合が終わりますが、プロレスではそこから攻防が始まるという競技の違いが挙げられます。プロレスラーは投げられるのになまじ抵抗して怪我するより、素直に投げられて次の攻防に備えることが多いのですね。受け身はプロレスラーの見せ場の一つでもあります。
 しかし、私は誰か相撲技をプロレスの必殺技として甦らせてくれないかなあと思っているのですよ。「合掌捻り」だの「三所攻め」だの名前がいいじゃないですか。90年代に「相撲軍団」という覆面レスラー軍団が現われて(現・大黒坊弁慶らが所属)、相撲技を決め技にしたことがあったのですが、それだけはもたなかったのか、程なく割と普通のパワーファイターにスタイルを変えてしまいました。
 プロレスは総合格闘技に押されて退潮気味ですが、原点である相撲を見直すことが、また新たな展開へのヒントになるような気がしてならないのです。


知らなかった相撲の決まり手ランキング
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=387262&media_id=45
日本の国技大相撲。2007年は横綱・朝青龍の帰国問題など、ワイドショーネタとして取り上げられることもありましたが、間近で見ると力士の迫力や繰り出される技に圧倒される競技であることに変わりはありません。「突き出し」や「押し出し」といった聞きなれた決まり手も含めて、現在では日本相撲協会が82の技名と技でない決まり手5を認定しており、相撲の奥深さを改めて感じます。多くの決まり手の中でも「知らなかった」という人が多かったものは、《ずぶねり》《撞木反り》《伝え反り》などでした。(後略)相撲“稀少技”とプロレス技の関係序説_b0058309_23184582.jpg
by funatoku | 2008-01-22 23:18 | テレビ・ニュース | Trackback | Comments(0)


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