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春風亭勢朝「戌年も高度勢朝の会」(6/30 池袋演芸場)

三遊亭たん丈「たらちね」 今週2回目。円丈師曰く「こんなに落語を知らない新弟子は
新潟(現・三遊亭白鳥)以来」とのこと。新作志向なのかな。

柳家一九「悋気の独楽」 小僧の定吉なんか演るとホンワカしたムードで、なかなか
味があるのだけど、どうもマクラは毎回滑り気味。マクラで客を引かせてる気配も…。

春風亭勢朝(新作落語) 「落語協会は鈴々舎馬風師匠が力づくで会長になりまして…」
「私が入門した頃は柳家小さん会長に、マグレでなったと言われた蝶花楼馬楽副会長…」
「楽屋に小さん師匠と馬楽師匠がいて、『馬楽さん“おしん”は見てるかい』『朝拝んでから
見てるよ』『見てから拝め』…。これが会長と副会長の会話なんです(笑)」
「社団法人には規約があって理事について定められているのだけれど、誰かが小さん会長に
規約を見せて欲しいと言ったら『そんな大事なものは見せられねえ』柳生武芸帳かと(笑)。
本当は規約では4年に一遍会長選挙をしなければならないのに、22年間無選挙だった」
「林家きくお最新情報。先頃亡くなった三遊亭円弥師匠は通夜が何日か遅れた。焼場の都合
だったのだが、きくおは『家族旅行に行ってたんですかね』。木久蔵師匠が亡くなっても旅行を
優先させる積りらしい」「でも、もっと馬鹿なのは、3馬鹿大将のことを“4馬鹿トリオ”と言っていた
小遊三師匠の弟子の春馬君。教会での結婚式に出席して“これが教会葬なんですね”。」
などと枕をふって本題へ。どうやら花魁の側から見た吉原物語らしい。

上州は高崎の在で花魁になりたくて仕方が無い“おくま”。女衒の仙吉に拝み倒して吉原の
女郎“小春”になる。この田舎者の小春のところへ討ち入り直前の大石主税が来るという噺だが、
新作の常でタイトルが分からないので取り敢えずサゲから「小春日和」と名付けておこう。
長いシリーズものの一話なのかも知れない。

初音家左橋「酢豆腐」 先日聴いたばかりの噺だったのだが、これが良かった。まずは
若い衆の一人の源ちゃんが縁側で昼寝をしている場面から始まりのだが、江戸の夏の暑さが
伝わってくるようだ。左橋師匠はこの手の“若い衆”が似合いますな。もっとも若く見えるけど
今年50歳とのこと。私の印象にある中で左橋師匠は今回が一番良かった、というか見直した。

春風亭勢朝「三井の大黒」 左甚五郎物語は何回も聴いてるけど、同じ噺でも人によって
甚五郎のキャラクター設定が違うのが面白い。貫禄十分だったり、奇人だったり。
勢朝師の甚五郎は“クラスや町内に一人はいる変わり者”という印象。
「ご苦労様」「ご苦労様」「ご苦労様」「極道様」「人を鈴々舎馬風みたいに言いやがって」
なんてオリジナルギャグは控えめながら、テンポ良く進み要所で笑わせてくれる快い高座。
「馬鹿みたいな目だからバカ目、おつけの実に」なんて志ん生ギャグが入るのも可笑しい。
ところで名前を名乗らない甚五郎を「ポンシュー」と名付けるのは、他でも聴いた記憶があるけど
主流の演り方なのか、それとも誰かが始めた演出なのかしら。ちょっと唐突な感じだけど。
by funatoku | 2006-07-03 16:39 | 落語 | Trackback | Comments(0)


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