ジュニア・マンスはバド・パウエル派のハード・バップ・ピアニストであり、
12/7に紹介したハンク・ジョーンズと同じカテゴリーに入るのだが、芸風は随分違う。 ゴスペルやブルースの影響を強く受けており、黒人らしさを前面に出すタイプなのだ。 ハンク・ジョーンズが洗練されたスタイルでジャズの主流を歩いてきたとすれば、 ジュニア・マンスはその泥臭さを熱心なファンに支持されてきたタイプ。 そしてマンスとよく比較される、ゴスペル・スタイルのジャズ・ピアニストがもう一人いる。 レイ・ブライアントである。 ブライアントの方は歌伴もこなす器用さがあるが、まあ同じスタイルと言っていい。 恐らくアメリカ以上に、日本に熱心なファンが多いという点も似ているのである。 そして、二人の共演を見たいという日本のジャズ・ファンの願いを叶えたのが、 90年以来、8回開催されてきた「100ゴールド・フィンガーズ」である。 10人の人気ピアニストが来日するこのコンサートに、二人とも連続出演中なのだ。 私は昨年横浜と東京で見たのだが、マンス74歳、ブライアント71歳、両御大の連弾での 楽しげな姿が今も目に焼き付いている。スタイルは近いがライバルというより親友。 解説によれば、本人達も「ブルース・ブラザーズ」なんて称して、楽しみにしているらしい。 来年の来日も決まっているそうで、二人の大ファンである私は今から楽しみで仕方がない。 このアルバムは今年四月のスタジオ録音。マンスの代表作の「ジュビレーション」 が目を引く。ゴスペル、ソウルテイスト満載のマンス節には思わず心浮き立つ。 この曲、ライブ盤には何度か収録されてきたが、スタジオ録音は40年ぶりだという。 「ファンキー・カーニバル」はアルバムの表題になったこともあるオリジナル曲。 他に「テイク・ファイブ」「A列車で行こう」などの有名曲も収録されている。 あとドラムスのアイドリス・ムハマッド。聞いたことがある名前だと思ったら、 タッパンジー・レーベル時代のボブ・ジェームス(p)のアルバムによく参加していた人だった。
by funatoku
| 2004-12-14 01:27
| ジャズ・クラシック
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