テリー伊藤『ダメ監督列伝』(知恵の森文庫・光文社)

本書に登場する27人の野球監督のうち、私は別所毅彦以外の監督時代を覚えている。
ところが本書に出てくるエピソードや発言は知らなかったり、忘れていたのが多かった。

「たとえ勝っても負けても、私の人生は全然変わらない」(吉田義男)
野茂英雄の渡米騒動の間、終始、野茂を非難し続けた(鈴木啓示)
南海の監督に就任した直後に19歳になる隠し子が発覚した(杉浦忠)
監督三年目に大阪ドームに移転すると、急に「つなぎの野球」を唱え始めた(佐々木恭介)
批判記事を書いた新聞記者に殴りかかろうとした(村山実)
「私がめざす野球は『ラーメン野球』です」(達川晃豊)
大差で負けている試合の途中で弁当を食べていた(別所毅彦)
ヤクルト時代、優勝チームに大きく負け越したが、二位には常に勝ち越す(関根潤三)
オーナーが「広岡が断ったので荒川に」と公言、しかもその広岡がコーチに(荒川博)
投手陣の適性を見るためにパチンコをさせた(稲尾和久)

出典の記載が無いので、時期不明で、正確性にもいささか疑問は残るのだが、
いかにも彼らがやりそうで、光景が目に浮かぶようだ。“テレビ的”と言い換えられるかも。
著者には毒舌のイメージも強いが、本書はボタンの掛け違いで、ダメ監督のレッテルを
貼られることになった名選手たちへの愛情に満ちたオマージュになっている。
特に達川晃豊と藤田平の章などは、野球論という枠組みを超えて心を打たれた。
ただこの本、下世話な例えが多いのだが、かえって解りにくくしているようにも思えますな…。
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by funatoku | 2004-11-24 02:55 | 文庫・新書 | Trackback(2) | Comments(1)
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Commented by funatoku at 2004-12-06 09:55
私はネット音痴で、このトラックバックというものの意味もよく判っていないのですが、
これはテリー伊藤さんご本人がここをご覧になったということなのでしょうか。
だとすると光栄ですし、著者と一読者がこういう風に接点を持つというのは面白いですね。

ただ、読み返すと私の文章は、この本の良さを伝えてなくて申し訳ない。目次を見てみましょう。
吉田義男―フランスで解脱した「浦島太郎」監督
鈴木啓示―三コメ主義で自滅した「スポ根の巨匠」監督
大沢啓二―怒濤のサービス魂を貫いた「浪花節」監督
杉浦忠―貧乏球団根性が毛穴に染み込んだ「ダンディズム」監督
中西太―アホの伝統を継ぎ、選手にアホ呼ばわりされた「一見豪快」監督
金田正一―人間扱いが誤解のもと「野人ターザン」監督
田淵幸一―東京の自宅から通わせたかった「天才おぼっちゃま」監督
根本陸夫―シミュレーションおたくを究めた「イメクラ」監督…
こういう大胆にして、本質に迫る切り口が読みどころなんですね。
読んで直ぐ(しかも深夜に)書いたとはいえ、ちょっと言葉が足らなかったなと反省。


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