<   2005年 05月 ( 11 )   > この月の画像一覧

志らく劇団・下町ダニーローズ「リカちゃんと怪獣」(5/26 19:00 神楽坂・theatre iwato)

立川志らく師匠が脚本・演出・主役を担当する「下町ダニーローズ」第4回公演初日。
「トイストーリー」のような芝居、ということだが、私は「トイストーリー」という映画を
見ていないからなあ。登場人物は子供部屋のおもちゃ箱にいる人形たちである。

人形を大事にしない花子(声:林家きく姫)の部屋にいるのは、リカちゃん(酒井莉加)、
リカちゃんのママ(長宗我部陽子)、ジェニー(原田果奈)、招き猫の貯金箱(立川文都)、
キャベツ畑人形(三遊亭楽春)、てるてる坊主(内藤忠司)、こけし(山咲小春)、下仁田生まれの
フランス人形(奈賀鞠子)たち。ついさっきも仲間のバービー人形が窓から投げ捨てられたばかりだ。
一方、貧しい隣家の太郎(声:柳家花緑)の部屋にいるのは、パチモンのゴジラ(モロ師岡)、
GIジョー(入月謙一)、踊るサンタ人形(立川談四楼)、達磨(柳家一琴)、粘土(阿部能丸)、
ウサギのぬいぐるみ(桜井麻美)、花子が窓から捨てたリカちゃんのパパ(谷畑聡)、
紛れ込んできたバイブレーター(コンタキンテ)、本物の鼠(原武昭彦)たち。
こちらは男が多いせいか喧嘩が絶えない。

花子がクリスマスプレゼントでもらったドラえもんのぬいぐるみ(立川志らく)に、新興宗教の
教祖のように「皆さんを幸せにする」と言われた花子の家の人形たちは、隣家への移住を願う。
しかし、人形界には掟があって、勝手に家を移ったりした者は藁人形に呪われて死ぬのだ。
果してリカちゃんはパパに会えるのか。そして彼らは幸せをつかめるのだろうか…。
まだ公演中でもあることだし、ストーリーについてはこのくらいにとどめておく。

志らく師匠はすっかり座長が板についていたし、文都、談四楼両師匠も持ち味が出ていた。
本職のモロ師岡を除くと、内藤忠司、原武昭彦のコメディアンぶりが印象に残った。
女優さんはチラシの写真を見ても印象が違ってて、名前が一致しない。申し訳ない限り。
開演前は2時間の芝居と聞いて随分長いと思ったが、終わってみれば短かった。
私が前回見たのは2年前の「ブルーフロッグマンの憂鬱」という一種の人情もので、
「これを新作落語にしたものを聴きたい」と思ったものだが、今回そうは思わなかった。
これは確かに芝居でしか表現できない世界であり、その分完成度は高いと言えよう。
“落語家が作った芝居”と考えなくても、普通に楽しめる喜劇になっていたのではないか。

今回、実は公演前に志らく師匠からご案内のメールを頂いた。数年前に知人が落語会を開いた
際に、ご挨拶して名刺をお渡ししたことがあるのだ。それ以来、お目にかかる機会は無い
(勿論、高座は何度となく拝見しているし、本にサインを入れて頂いたこともある)が、
こうしてご連絡を頂くと嬉しいもので、月末でドタバタしているのに、すぐ申し込んでしまった。
ただ、座席が狭くて終演後は膝がガクガク。小劇場を見るには年をとり過ぎたのかなぁ…。
[PR]
by funatoku | 2005-05-27 00:34 | 演劇・映画・展覧会 | Trackback(1) | Comments(4)

ハーヴィー・メイソン・トリオwithデイヴ・グルーシン(5/25 21:30 5/27 19:00 ブルーノート東京)

ハーヴィー・メイソン・トリオ・ウィズ・ヴェリー・スペシャル・ゲスト・デイヴ・グルーシン
ハーヴィー・メイソン(ドラムス)Harvey Mason
デイヴ・グルーシン(ピアノ)Dave Grusin
ダーレック・オールス(ベース) Darek Oles

ブルーノート東京は初めてである。東京在住でジャズ・ファンと称しながら、ここに来た事が無いのは、
新宿末広亭へ行った事が無い落語ファンようなものだ、と思われるかも知れない。
そもそも私は落語はライブ派なのだが、ジャズはCD派で、ライブには余り行かないのである。
まして、このブルーノート東京は料金が高い!8400円もあれば、CDが何枚買えるだろうか。
案の定、来てみれば妙にカップルが多くて、バブル期のような客層(このへん僻みが入ってます)。
それに開演30分以上前に並ばせるとは、とても8000円以上取る客に対する扱いとは思えない。

なのに、何故私はブルーノート東京に来たのか?デイヴ・グルーシンがお目当てなのである。
私のデイヴ・グルーシンに対する思いは、“初恋”に似ているような気がする。
10代の頃、どれほどこの人のピアノに憧れたことだろうか。ソロを口ずさめるほど聴き込んで、
自分でも真似して弾いてみたりした。もう、ああいう風にミュージシャンに惚れることは無いかも。
にもかかわらず、生のデイヴを見たことが無かったのだが、気が付けばデイヴも70歳だ。
「これはいかん」と思い、余り行きたくなかったブルーノート東京に駆けつけたという次第である。
私は終わり近くの番号で案内されたのだが、受付のお姉さんが「お目当てとかございますか」
と尋ねるので、デイヴ・グルーシンだと答えると、彼女ニヤリと笑って、「今週は両サイドに人気が
別れるんですよ」。そして、何と左側最前列、ピアノの真ん前の席に案内されたのである。
先程までの不機嫌もどこへやら、すっかりブルーノート東京が気に入ってしまった(現金だねぇ)。

デイヴ・グルーシンの経歴についてはブルーノート東京のHPを参照して頂きたい。
ジャズ・プレイヤーにとどまらず、映画音楽家としてもグラミー賞常連の大御所で、
私がハマったころは、「カリフォルニア・シャワー」など渡辺貞夫のアレンジャーとして活躍しており、
ヤマハの「ベルーガ」というスクーターのTVCMに二人で出演したりしていた。
初めて見るデイヴは地味なグレーの背広、グレーの丸首シャツ、黒のスニーカーという出で立ち。
40代から老眼鏡をかけたり、元々ちょっと老けたタイプなので、印象は昔とそれほど変わらない。

1 BLUES FOR HOWARD ドラムが刻むリズム・パターンが印象的なオープニング曲。
2 STELLA ブラシを使ったり、ドラム・ソロをフィーチャー。
3 MIDNIGHT STROLL ベース・ソロのイントロから始まる曲。
4 FASCINATING RHYTHM イントロではティンパニのバチを使ったドラム・ソロを。
5 THE HEART IS A LONLEY HUNTER デイヴの映画音楽の名曲をピアノ・ソロで。
6 ONE MORNING IN MAY 3拍子の曲。エンディングの3人の掛け合いが楽しい。
7 MOUNTAIN DANCE ピアノ・ソロを大きくフィーチャーしたエンディング曲。
8 THAT NIGHT ここからアンコール曲。スローナンバー。
9 SWAMP FIRE ラストはリズミカルな曲。

いやー、感動しました。だって私の目の前で本人が“グルーシン節”を弾きまくっているんだもの。
左手の使い方が独特で、それが彼ならではのノリを生み出すのだ。
左足では細かくリズムをとり、右足のサスティン・ペダルはそれほどそれ程使っていない。
7曲目「マウンテン・ダンス」は79年発売のアルバムのタイトル・ナンバーで、私のお気に入り。
アルバムではデイヴがピアノ、シンセサイザーで長いソロをとるのだが、これが不思議なソロで、
殆ど単音でメジャー・スケール、すなわち(この曲の場合)白鍵だけを弾いているのである。
計算され尽くした興奮とでもいうのか、“端正”という言葉がピッタリする素晴らしいソロだった。
今回はさすがに白鍵だけということはなく、黒鍵を使いブルースっぽいフレーズも交ぜている。

今回のリーダー、ハーヴィー・メイソンは、一音一音を全て意識的に叩く人というイメージがある。
今回見ていて気付いたのだが、ドラム・スティックの頭と尻を頻繁に持ち替えて音を変えている。
それ以外にも、上述のティンパニの撥、ブラシ、菜箸を数本束ねたようなものなどに持ち替えて、
さらにシンバルやスネアを叩く位置によって音を変えている。ブラシでシンバルの裏側を叩いていた
のには驚いた。ドラムの音を知り尽くし、更にあらゆる可能性を追求しているということだろう。
正に“ドラム・マスター”に相応しい存在である。

会場には杏里嬢も来ていて、MCでデイヴから紹介されていた。私は“共演”以来か(笑)。b0058309_16243973.jpgb0058309_1625851.jpg







(追記)
金曜日夕方、「久保田・翠壽」をご馳走になり、4合瓶を一人で空けたら、すっかり気宇壮大に
なってしまい、また青山に駆けつけた。もう一度、生で「マウンテン・ダンス」が聴きたかったのだ。
前々日より空いていたとはいえ、前回と同じピアノ前の特等席に案内されたのには驚いた。
セットリストは若干入れ替わっていたようだが、酔っ払っていたのでメモをとっていない。

やっぱり「マウンテン・ダンス」は名曲だなあ。上で書き忘れたが、オリジナル曲のドラムも
ハーヴィー・メイソンが担当しており、徐々に音数を増やしながらピアノ・ソロを盛り上げる名演。
84年には「恋に落ちて」(主演:ロバート・デニーロ、メリル・ストリープ)という映画のテーマ曲に
なったらしい。私はデイヴ・ファンの癖に見たこと無い、というか最近まで知らなかったのだが。
この晩もハーヴィーの“煽り”に乗って、デイヴのピアノはよく歌う。

2回ステージの場合、どうしても1回目はちょっとセーブした感じになるけど、やはり来て良かった。
[PR]
by funatoku | 2005-05-26 14:45 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(2)

杏里さんと“共演”した想い出(笑)

アンコールで電撃発表!ANRIがリー・リトナーと結婚

「オリビアを聴きながら」「悲しみがとまらない」などのヒット曲で知られる歌手、ANRI(43)が世界的に活躍するフュージョンギター界のカリスマ、リー・リトナー(52)と結婚することが21日、分かった。20日によこすか芸術劇場で行ったコンサートツアー初日公演でファンに「婚約しました!」と報告した。ANRIは再婚。

 突然の発表だった。ファンもびっくりだ。衝撃の発言は、コンサートのアンコールで飛び出した。15曲目の「Sky Diver」を歌い終わったANRIは「リー・リトナーさんと婚約しました」とファンに笑顔で報告した。
 リトナーは、昭和50年代に起きたフュージョン人気の立役者。主にスタジオミュージシャンとして、著名なアーティストと仕事をしている。ギタリストとしての才能は高く、人間としても柔和な笑みが印象的な穏やかな人物という。
 平成12年11月にリリースされたANRIの洋楽カバーアルバム「SMOOTH JAM-Quiet Storm-」の制作の際、プロデューサーと歌手として知り合った。同アルバムは、ANRIの美声を最大限に生かしたリトナーの手腕が高く評価された。
 その後、ANRIがリトナーのコンサートに参加し、リトナーのギターに合わせ歌を披露したことも。アーティストとして互いに尊敬しあい、徐々に愛を深めていったようだ。

 ANRIは63年6月に当時アパレルメーカーの社長だった男性と結婚。男性の会社が倒産し多額の借金を抱えたことをきっかけに、2人の仲がうまくいかなくなり、平成5年9月に離婚した。一方のリトナーも28歳の時に結婚し、子どももいるが、離婚している。
 お互いに再婚同士。辛い経験を乗り越え、大人の愛を育んできたANRIは同コンサートで「もう1回お嫁に行ってもいいかな、と思いました」と女心を照れくさそうに吐露。そんなANRIに温かい拍手が送られ、「おめでとう!」の声が飛んだ。
 挙式、入籍などの詳細については語らなかったが、順調に行けば、年内にもゴールインとなりそうだ。
(サンケイスポーツ) - 5月22日8時4分更新

私は芸能人の結婚・離婚といったニュースには殆ど関心が無く、最近報じられたアナウンサー
同士の結婚話にいたっては、何故それがニュースとして扱われるのか未だに理解できません。
しかし、このニュースにはいささかの感慨があります。
というのは、私はかつて杏里さん(いつから“ANRI”になったのかな)と“共演”したことがあるのです。
しかも、その時に私達が演奏したのはリー・リトナーの出世作「キャプテン・カリブ」と、
アルバム「RIT」の収録曲である「ミスター・ブリーフケース」だった
のです。

種明かしをすると、私は大昔ある大学(これは早稲田ではありません)のフュージョン・バンドに
数ヶ月間在籍していたことがあるのですが、そのバンドが参加した学生の合同コンサートに、
杏里さんがゲストに来て下さったのです。場所は渋谷の「エピキュラス」というホールでした。
私は前座見習で、あちらは大真打だった訳ですが、ま、同じ舞台に立ったことにゃ違いない(笑)。
この2曲を演奏することを提案したのは、大のリトナー・ファンである私だったと記憶しています。
ン十年前に、未来の旦那様とそういう“接点”があったとは、杏里さんも覚えてないでしょうねぇ。
あたしゃ、何だか仲人になったような気分だ。違うか。ともあれ、おめでとうございます。

ところで、その時に杏里さんの迫力あるヴォーカルもさることながら、キーボード担当だった
私はプロのキーボード奏者の音の良さに衝撃を受けました。楽器は各自が持ち寄ったのですが、
音響システムは同じなのにもかかわらず、出てくる音の“抜け”が全く違うんですよ。
勿論テクニックや才能がまるで違うということは、改めて言うまでもありませんが、
電気楽器を使う限り、音は機材に左右されるということを、この日に痛感させられました。
私の関心がフュージョンからアコースティックな4ビートに移っていった契機でもあったのです。
その後、キチンとジャズ・ピアノを習いたいと思いつつ、今日まで来てしまいましたが…。
[PR]
by funatoku | 2005-05-23 18:31 | 一期一会 | Trackback | Comments(2)

立川談志独演会(5/20 町田市民ホール)

立川談志「武助馬」 「沢山のご来場、感謝感激雨小便…って、鳳啓助のネタなんだけど」
「去年ここでやった“居残り佐平次”は今でも覚えていて…」そりゃ見たかったなぁ。
テレビも新聞も読まないと言いつつ尼崎事故に「テレビは泣いてる家族だけ撮るんだ」
「でも、急いでぶつかるより、遅れて怒られる方がいいね。だから遅刻するんだけど…」
「こないだ、面白くないって言われたんだけど、“プログラムのどこに面白いって書いてある?”」
ホントに家元にそんなこと言う奴がいるのかねぇ…。そして小咄へ。
売春婦の部屋に行ったらハーバード大学の修了証書がある。
「どうして、こんなことやってるの?」「運が良かったのよ」(「女には娼婦願望が…」の注釈付)
アフリカン・ルーレット。6人のアフリカ美女のどれかを選ぶと、“お口で奉仕”してくれる。
「ただし、一人は人食い人種だ」

一回やったかやらないかという噺をやるから、「今日来たお客さんは災難で…」と本題へ。
上方では嵐りかん(文字不明)の弟子で、嵐みかんと名乗っていた武助。
「キウイって弟子もいた」って、そりゃ立川流の万年前座のことでは…。
上方で演じたのは「五段目」の猪、「菅原伝授」の牛…。江戸に帰って芝翫の弟子になるが、
「あ、ここが“しかん”だったか。さっき間違えた。どこからやり直すか…?」
初舞台に御贔屓衆を呼んだ武助が演じるのは、「熊谷直実」で馬の後足。
後ろ足なのに「ヒヒーン」と嘶いたというところで、「実際にあるんですよ」
「上田吉二郎が『瞼の母』に出た時、斬られ役なのにいくら斬られても死なない。
挙句に舞台の真ん中に出て“おっ母さ~ん”。」何でそんなことしたと訊かれた上吉っつぁん。
「(主演の)鶴田浩二が挨拶に来なかった」。などと最後まで脱線気味。45分。

立川談志「黄金餅」 話し始めるがマイクが入っていなかったようで、前座が飛んできて
マイクを入れる(“噂の”キウイさんだったように見えたが)。咽喉癌の話題へ。
「7年前“これは癌である可能性もある”と言われた時と、最近“これは良性で癌じゃない
けど一応切っておく”と言われた時と、同じ手術してるんだよ…」そして小咄。
病院の待合室に肖像写真が10枚。「これ何ですか?」「この病院で直った患者ですよ」
「睡眠薬を2週間分だしておきます」「いえ。そんなに眠らなくてもいいんですが…」
「あんな不完全な武助馬を聞かせてねえ…」と言いつつ、さらに小咄。
公園で腕立て伏せしている男がいる。「あのー、女はどこ行っちゃったんですか?」
「あなたのご兄弟は優秀ですね」「それは妹に言ってください」
人食い人種がニューヨークに来て交番で訊いた。「サンドイッチマンっていうのは何処?」

「貧乏したことない奴に、物の味は分からない」といいつつ「黄金餅」。
下谷山崎町の長屋に住む乞食坊主の西念は死ぬ間際に、貯め込んだ金を餅に詰めて食い、
喉に詰まらせて死ぬ。それを見た隣人の金兵衛は、何とかその金を手に入れようと、
亡骸を麻布の知り合いの寺に持って行こうとする…のだが、ここで携帯電話が鳴る。
「電話だよ。そんなに忙しいのに何で落語にくるのか」。またバアさんだ。鳴り止まない携帯を
持って外に出たのに、驚いたことにすぐに戻って来た。恥を知らないババアってのは強いね。
「俺は(ストーリーに)戻せるけど、志ん朝だったらどうなっていたか」
と話が逸れてゆき、桂文楽の十八番「按摩の炬燵」を最近聞かなくなったと説明し始める。
盲目の按摩が夜道で提灯を持つのは、目明きにぶつかられないようにするためなのだが、
やっぱりぶつかった。「提灯が見えないのか」「火が消えてるよ」と、提灯から本題に戻す。
麻布への道のりを列挙する道中付をやって「俺も草臥れた」。更に志ん生風の道中付を
やって見せて「志ん生師匠のはゆっくりだから、草臥れた感じが出るが、俺のは速いから」
さらに三遊亭金馬(先代)、三遊亭円生風にもやってみせて喝采を受ける。
「伝統も出来ない奴が新作なんて。円丈なんて名古屋人が…」と何故か新作批判をはさみ、
麻布木蓮寺の様子を「何にも無い」としつこく。「これだけ言えば状況が分かる。嫌な芸人だね」
「このお経が好きで」と言いつつ、お経に欠伸や「金魚ぇ、金魚」などと交える。
金兵衛がお骨から金を探し出そうとする仕種も妙に詳細。
金を払わず帰ろうとする金兵衛に「それじゃ焼き場はやっていけないよ」
「“だったら餅屋でもやればいじゃないか。あ、そうか餅屋でもやろう”、と始めた餅屋が
繁盛して、黄金餅とよばれるようになった、という落語です」で一旦幕。
再度幕を上げて「この金兵衛は全然、反省が無いんですね」。70分。

* *
隣席の六十代と思しき御婦人は、家元の言にいちいち肯いていた。重症の“談志信者”かも(笑)。
町田で平日6時半開始とはちと早い。ギリギリ間に合ったが、駅から何人もに追い抜かれた。
b0058309_7271347.gif

[PR]
by funatoku | 2005-05-21 01:18 | 落語 | Trackback(1) | Comments(0)

楠原佑介『この駅名に問題あり』(草思社)

品川駅は品川区ではなく港区にあり、目黒駅は目黒区ではなく品川区にある、
ということは鉄道ファンでなくても、東京在住の方ならご存知の向きが多いと思う。
こうなった原因についてはしばしば、「鉄道敷設の頃、当時の村民から嫌われたため、
市街地から離れたところに駅を設置せざるを得なかった」などと説明されたりする。
しかし、長年地名の研究に携わってきた著者は、資料をもとにそれを謬説として退け、
いかにして地名と関係ない駅名が各地で付けられてきたかを本書で紹介している。

例えば新宿。所在地は内藤新宿ではなく角筈村だったのに、駅名が新宿と名付けられたため
後年になって、本来角筈だったところまで「西新宿」と名付けられてしまった。
つまり隣町に名前を侵食されてしまったのだ。しかも、肝心の「内藤」はどこ行った?
目白の場合、駅名の由来となった目白不動は駅の東方2.2キロ離れた文京区関口にある。
2.2キロというと短いようだが上野~神田間に相当し、これは神田を南上野と名付ける
ような暴挙であり、地名どおり高田と名付けられていれば、駅の西方2キロの落合村が
“目白文化村”などと僭称されることは無かっただろう、と。
高田馬場は戸塚村にあったのに、東海道線の既設駅と同名だった為、鉄道側が認めなかった。
同様に、大塚は巣鴨にあり、五反田は大崎にあり、四ツ谷は麹町にあり、市ヶ谷は番町にある。

しかし、これを昔のことと笑ってはいられないのだ。終章では今秋開通するつくばエクスプレスの
駅名を批判的に検討する。御徒町とは関係ないのに「新御徒町」。同じ浅草駅から500メートルも
離れた「浅草」。精出耕地という字名から捏造された「青井」。合成地名や新設地名に過ぎない
「六町」「八潮」「三郷中央」。もう説明するまでもないバカ駅名「流山セントラルパーク」
「流山おおたかの森」「柏の葉キャンパス」「みらい平」「みどりの」。地域特定機能を
果たしていない「研究学園」。そして終点は必然性の無いひらがな駅名「つくば」…。

地名の破壊は決して過去のことでも他人事でもない。「みらい平」だって。住む方も住む方だよな。
いかに役人や鉄道会社が、地名の歴史とその価値を軽視してきたがよく分かる一冊。
[PR]
by funatoku | 2005-05-18 23:47 | 旅日記・温泉・鉄道 | Trackback | Comments(0)

「無知」はどこにある?

長い付き合いのある人の思わぬ無知が判明して驚くことがある。
お互いにそれ程物知りだと思っていた訳ではないものの、結構いい年齢になっているだけに、
若い頃の無知とは、また別の驚きと言うか、味わいが出てくるような気がする。

今日書くのは、本人の名誉の為になるべく個人情報を避けるが、有名大学を出て、堅い職業に
就いており、読書も趣味の一つであって、決して無知とは思われない中年男性の言動である。
彼は最近、トイプードルという犬を預かる機会があって、公園に連れて行ったりしたらしい。
生後1年というその犬は、彼を驚嘆させる行動に出た。

「メス犬っていうのは、小便の時に片足を上げないんだねぇ」

繰り返すが、彼は私のような風来坊ではなく、それなりに社会的地位のあるオッサンなのである。
何十年もの間、オス犬しか見たことがなかったのだろうか?

この日、彼にはさらに私を驚かせる発言があった。
雑談の中で、私は「ガリガリ君」のホームページが面白かったと話したのだが、どうも反応が変だ。
改めて訊いてみると彼は「ガリガリ君」の存在そのものを知らなかったのである。
仮にコンビニに行く機会が少なかったにしても、ずっと東京在住だった人間が、
何故CMまで流れているロングセラー商品の存在を知らないのか…。
どうやら子供の頃から歯が壊滅的に悪かったので、アイス自体を滅多に食べなかったらしい。

長い付き合いだからといって油断していると、意外な無知が身近にあると再確認させられた次第。
[PR]
by funatoku | 2005-05-14 23:54 | Trackback | Comments(0)

柳家喬太郎独演会(5/9 横浜にぎわい座)

柳家さん作「子ほめ」 往来で会った番頭に褒められた途端に逃げたしたり、寝ているのは
婆さんだったり、竹さんは八五郎の訪問を嫌がってなかったり、微妙に設定が違う。

柳家喬四郎「W記念日」 20年前に妻を亡くした命日に、娘が婚約者を連れてきた落語家の話。

柳家喬太郎「お菊の皿」 「ああいう落語もあるんですね。…人のことは言えませんが」
古典派の柳家さん喬一門、弟子8人のうち総領の自分と喬四郎だけが新作をやるので、
「針の筵でした。今ではその針を全部折っちゃった」
横浜には実家があり、「高校は日吉にある付属でした。…ゴメン日大です。ここ拍手いらない」
東横線が桜木町に行かなくなったが、高島町は「自己主張をしないから、良かった」
「その点、代官山ときたら“ふーん、急行乗るの。わかる奴だけ降りればいいから”」
子供を自分の小学校に連れて行った話を始め、「パパが子供の頃…」と言ってテレまくる。
「スミマセン。パパと呼ばせてます」。ここで「パパ頑張れ」の掛声。「あんたのパパじゃないよ!」

「お菊の皿」は7月の寄席では必ずかかる一席だが、さて喬太郎師は…。ご隠居が語る青山鉄山の
いたぶり方は怖い。一思いに斬らずに、刀の先でサディスティックにお菊を突付いて「痛いか?」
しかし、両手を前に垂らしての幽霊ポーズに対して、「ピグモン?」と答えた辺りから一転して、
“新作落語”の口調を交えてくるようになった。お菊の幽霊を見た3人組は「うっそー。イイッ!」
“番町アリーナ”で昼夜2回公演、お菊ちゃん煎餅は「10枚入り」に9枚しか入ってない。
司会は柳家喬四郎「落語は出来ませんから…」
スポットライトに照らされたお菊、「あたしを殺したあの男~」とナンバリング・ディッシュ!
のけぞって数えたりして「林家たい平かよ」などと、突っ込まれる。もはや、全然怖くないや。
「なぜ9枚以上数えるんだ?」と問われたお菊、「それは言われたくなぁい。9枚っていうのは
私の中での気持ちだしぃ…」「おい、随分理屈っぽいなぁ」後半は筒井康隆のドタバタものみたい。

寒空はだか(スタンダップコメディ) “空気ギター”を弾きながら口三味線とか。
舟木一夫を歌うといって、銭形平次のイントロを歌い「チョコレートは平次」
坂本九を歌いつつ小林旭に代わっていたり、中島みゆきが「ひょっこりひょうたん島」を歌ったり。

柳家喬太郎「母恋くらげ」 「落研の学園祭のようで…」に場内大爆笑。
寒空はだかとは、彼が埼玉大学の落研にいた頃からの付き合いで、
「私は落語の道へ進み、彼は……何の道に進んだんでしょう」
当時、喬太郎師は山下公園でストリート・パフォーマンスとして落語を演っていたのだという。

自作の「母恋くらげ」は初めて聴く。タコ、イカ、アナゴ、ヒラメなどの仕種を力演しながら、
「一席目はビシッと決めようと思ったのに、あんなになって…」などと自虐ギャグも。
タコが「柳家権太楼ではありません」
ヒネた子供がみかんを食べる仕種をしながら、「こんなところをゆっくりやる必要は無いんだけど、
古典が出来ないと思われてもいけないから」と登場人物に言わせる可笑しさ。
大波にさらわれ迷子になった子くらげが、無事母の元へ帰ってくるストーリー。

*  *
連休明けのにぎわい座は九分以上の入り。帰りは例によって「華王飯店」でフカヒレ姿煮めん。
[PR]
by funatoku | 2005-05-10 01:12 | 落語 | Trackback(1) | Comments(3)

モーニング娘。コンサートツアー 2005 春~第六感 ヒット満開!(5/6 日本武道館)

春のコンサートツアーの途中でリーダー矢口真里が突然脱退。そして翌日にはモー娘。の
顔だった石川梨華の卒業を控える。5年ぶりの武道館公演はこうしたタイミングで行なわれた。

01 THE マンパワー!!! 
02 浪漫~MY DEAR BOY~
03 独占欲 アルバム曲。歌い出しの吉澤と田中が印象に残る。

MC 藤本から石川まで全員挨拶した後、日曜に第7期メンバーとして発表されたばかりの
久住小春が「愛あらばIt’s all right」の衣装で登場。挨拶は噛みまくりで、初々しい。
「村のバレーボール・チームでキャプテンをやってました」で立往生したところで、吉澤が助け舟。
「よくやった。フットサルやらない?」性格的にリーダー向きでなさそうな吉澤もそれなりになってきた。

04 涙が止まらない放課後 紺野、音程外す。あれ?口パクじゃないのか。
05 声
06 ラヴ&ピィ~ス!HEROがやって来たっ。 知らない曲だ。
07 LOVEマシーン<吉澤ひとみ・高橋愛・小川麻琴・新垣里沙・亀井絵里・道重さゆみ・田中れいな> 「み・だ・ら」は吉澤。どうやらリーダーの引継ぎ事項のようだ。「明るウィ」は亀井。ずっと矢口が担当してきたラストの「ラブ・マスィーン」は田中。
08 いいことある記念の瞬間<田中れいな・小川・亀井> ツアー前半まで、田中の代わりに矢口。そういえば「あぁ」なんてユニットもやってたし、田中も矢口的な起用になるのか。

MC

09 紫陽花アイ愛物語<美勇伝:石川梨華・三好絵里香・岡田唯> 三本締め風のリズムが入る新曲。
10 色っぽい女~SEXY BABY~<カントリー娘。:あさみ・みうな・里田まい>
11 シャイニング 愛しき貴方<カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)>
12 ロマンティック 浮かれモード<藤本美貴> ソロ時代の名曲。ファンも盛り上がる。
13 GET UP! ラッパー<吉澤・小川・新垣・道重・田中>
14 ふるさと<高橋> まぁ、高橋でまだ良かったというか…。
15 モーニングコーヒー<石川・紺野あさ美・藤本美貴・亀井> これも矢口がメインだったのを、当初コーラスだった石川をメインに据え直したらしい。しかし、これは結果オーライというか、石川へのいい餞別になったのではないか。ちょっと感動した。
16 恋愛レボリューション21<石川・吉澤・紺野・小川・藤本・亀井・道重・田中>
17 直感~時として恋は~
18 (メドレー)そうだ!We're ALIVEDANCEするのだ! メドレーというより、前者はさわりだけ。不思議な構成だ。「DANCE~」はモー娘。の中でも特に好きな曲なのだけど。
19 レモン色とミルクティ<紺野・小川・新垣・藤本・亀井・道重・田中>
20 春の歌<石川・吉澤・高橋> これも当初は矢口を加え4人だったのだが、結果的には吉澤の成長を確認出来る曲になった。やはり、この位の人数だと各々の“顔が見え”て良いなあ。
21 「、、、好きだよ」 1番は前の曲の3人だけで、2番から全員参加。3rdアルバム曲。
22 そうだ!We're ALIVE
23 すき焼き
24 Go Girl~恋のヴィクトリー~ 手旗を振りながら。メロンライブのステッキみたいなものか。

MC 石川「5年ぶりにかえってきたよ!」。そう、武道館は石川・吉澤・加護・辻デビューの地
なのである。「どっすーん(吉澤)」「よいしょ(石川)」と懐かしい当時の第一声も再現。
石川「“よいしょ”って言ったら、先輩たちが後ろでクスクス笑っていたんですよ」
吉澤「5年ぶりに武道館に帰ってきたら、リーダーになってたよ」

25 I WISH 石川がメイン。この曲の時いたのも石川と吉澤だけになってしまった。

アンコール

26 大阪 恋の歌
27 初めてのハッピー・バースデー<石川梨華> MCの後、カン梨華の曲をソロで。

MC

28 ザ☆ピ~ス! 石川が初めてセンターを務めた2001年7月の曲で締めた。

思えば2000年4月に加入した頃の石川梨華は、声は出ない、音程は取れない、喋りは冴えない、
自信が無いので表情は暗い…、というかなり厳しい状況に陥っていた。
しかし、そこから一歩一歩、自分のキャラクターを前に出し、喋りに自信をつけ、苦手だった歌唱も
格段の進歩を見せるようになってきた。そういう意味では石川は「負け組の逆襲ドラマ」という
“初期モー娘。イズム”を、最も濃厚に受け継いだ最後のメンバーではなかったかと思う。
石川の卒業とともに名実ともに「初期モーニング娘。」は終わったと言って良いだろう。
b0058309_21113363.jpg

ところで、この日の席は北西スタンド2階席G列40番である。連休前に追加発売されたせいか、
ステージを真横から見下ろし、ステージ脇の巨大スクリーンを“真裏”から見るという場所だ。
それはともかく、不思議なのは、隣の西スタンドは最上段まで満員であり、この北西スタンドも
通路を挟んで前のE列までは満員なのに、G列から後ろ最上段まで私以外には誰もいないのだ。
「ありゃ、発券ミスか。コンピューターに頼るからこういう馬鹿な売り方をするんだな」と思ったが、
私はこの手のコンサートもゆったり座って見たいので、さらに後ろのL列に移動して見ることにした。

ところが、家に帰ってからチケットを改めて確認してみると、「1階席」の文字が…。
何のことはない、馬鹿は私だ。確認するなら現地でしろよ、って話ですな。“粗忽”庵の本領発揮。
でも座って見られたから、まあ良かったか、と言い訳したりして…。
[PR]
by funatoku | 2005-05-07 21:12 | メロン記念日 | Trackback | Comments(0)

こっちも正蔵十八番集(5/4昼 黒門亭)

黒門亭というのは、上野にある落語協会ビルの2階の座敷を利用して行なわれる寄席で、
普段は二つ目が中心の顔ぶれだが、ゴールデンウィークということで真打中心の特番。
「こっちも正蔵十八番集」と題し、先代(八代目)林家正蔵(彦六)の孫弟子たちが集まった。

林家彦丸「大どこの犬」 捨てられた3匹の子犬。1匹は死に、1匹は大坂の鴻池家に
引き取られ、兄を頼って江戸から大坂まで苦労して訪ねてきた残る1匹に兄はご馳走する。
初めて食べる鯉に「これはどこにいるんですか?」「“この池”にいるよ」
犬が「ワンワン」と吠え合う場面があるのだけど、彦六師匠で想像すると妙に可笑しい。

橘家文左衛門「大仏餅」 「今日は楽屋が賑やかで…、避難してきました」
ちょこちょこ評判は聞くのだが、この人を見るのは初めて。コワモテの顔に乱暴口調。
「正蔵十八番って演らないもん。自分は勢いで演って、さっと帰っちゃう方なんで…。
また、大仏餅は地味な噺でね。…“勉強し直して参ります”になるかも(笑)」

商家の主人が、怪我をして難儀をしている乞食に施しをしようとするが、乞食が差し出した
器を見て、主人がかつて習った茶道の師匠であることに気付く。この偶然を喜んだ主人は、
茶を点てようとするが、茶菓子が無いので“食べると目から鼻に抜ける”が売りの大仏餅を
食べさせたところ、乞食の目が開き、代わりに鼻声に。「大仏餅だけに、目から鼻に抜けた」
なるほど、地味というか、ちょっと無理がある筋だ。しかし、文左衛門師は迫力の演技で
説得力を持たせた。乞食に触りたくない小僧が手で×を作ってみせたり、番頭と小僧が
残飯を争ったりするギャグも面白い。一見不似合いな噺でも、結果オーライの一席。

春風亭勢朝「お血脈」 さすがに脱線事故はネタにしにくくて、正蔵襲名披露の鈴本で
「(花が飾られていて)献花台みたいですね」と言ったら、客が引いた…。
トリの正朝師匠は「せいちょう」と間違えて呼ばれるのを嫌がるので、巡業時に勢朝師が
主催者に間違えないように言ったら、「大丈夫ですよ。“まさとも”さんでしょ」
「放送禁止落語会」を開催すると普段は空いてる池袋演芸場が混むのだが、
「皆さん、騙されてはいけません。あれは“放送禁止”なのではなくて、テレビに出られない
芸人が出ているんです。何しろトリが川柳川柳師匠ですから」
その川柳師匠、聖書を万引きしたことがある。本人いわく、店員の態度が悪かったので、
罰として金を払わなかっただけで、キリストが夢枕に立って許してくれた…。
「しかし、神は許しても、書店は許しませんよ」
川柳師匠がウォークマンを持っていたが、よく見たら鎖がついていて引きちぎった痕がある。
「師匠、それどうしたんですか?」「酔えば何でも出来るんだよ…」
川口浩探検隊の不思議。「“人跡未踏の地に、人食いワニを発見”って、人跡未踏なのに、
どうして“人食い”ワニだと分かるのか」

さらに「きくお噺」まで飛び出したが、爆笑トークは本題に入っても止まらない。
ウソツキの三遊亭円楽と立川談志が、地獄の煮え湯に肩まで浸かっていると、春風亭柳朝が
胸までしか浸かっていない。「おかしいじゃねえか」と騒ぎ出す円楽・談志。
「よく見たら、三遊亭円歌に肩車していた」
この噺、善光寺の血脈を盗むために地獄から派遣されるのが石川五右衛門のはずなのだが、
選ばれたのが林家正蔵(!)。芝居噺の名人だけに芝居っ気たっぷりに額を叩いたもので、
そのまま天国に。「天国で前座から始めているそうです」

いなせ家半七「ぞろぞろ」 寄席では余り見た記憶が無いのだが、半七師のプロフィールで
ずっと気になっている点があった。「大阪市出身」。大阪にいたのは13、4歳までとのことだった。
正蔵十八番は普段演らない、とこちらも企画趣旨は不発。「その代わり米朝十八番なら…」
喋りは江戸前なのだけど、確かに声質が“大阪声”かも知れない。
年間200の温泉に行き、温泉についてのHPを持っているそうで、早速「お気に入り」に。

教わった通りに演っていて「入れ事が出来ない」とのことだが、確かに“楷書の芸風”のようだ。
「入れ事が出来れば、林家たい平くらいにはなってるかも」。いえいえ、その芸風を続けて下さい。
立川志らく師の本を読んで怒り、間違えて談春師に殴りかかったという素敵な逸話の持ち主。

春風亭正朝「蔵前駕籠」 「正蔵という名跡は、別に海老名家が持っていた訳じゃないんです。
七代目正蔵の父親は落語家じゃなかったんですから」と、先代・正蔵(彦六)の名跡について。
私が初めて知ったのは二点。林家三平が真打になった時点で、先代は名跡の返還を申し出たが、
三平師が固辞したこと。その三平師が早世した時、先代がお悔やみに行き「あの時、返して
いれば…。遅ればせながらお返しします」と言ったら、三平母が「はい」と受けてしまった。
「内心遠慮されると思っていたのに、とんだ“紀州”になっちゃった」
「私は“春風亭柳朝”は全然欲しくありません(笑)」

大師匠正蔵に教わったことは無いが、「蔵前駕籠」は橘家文蔵師に教わった。
駕籠には今で言えばハイヤーにあたる宿駕籠と、流しのタクシーにあたる辻駕籠があり…、
「これを“辻ちゃんと加護ちゃん”と呼ぶ……、言わなきゃ良かった」

* *
いつもご覧頂きまして、有難うございます。
4日午後7時頃にご訪問者数が、合計3000人に達しました。
[PR]
by funatoku | 2005-05-05 01:23 | 落語 | Trackback | Comments(2)

「プロ野球中継 中日-ヤクルト」(5/3 NHK総合)

いやー、凄いものを見てしまった。
途中から見始めて、随分低音の解説者がいるなと思ったら、ゲストの森山周一郎である。
ところがこの森山先生が、とにかく喋る喋る喋る喋る喋る…。殆どワンマン・ショー状態なのだ。
かつて「週刊ベースボール」で連載コラムを持っていたので、熱烈な中日ファンであることは
知っていたが、中日のみならず野球全般にこんなに詳しいとは思わなかった。昭和29年優勝の
想い出から、現在の各選手の調子まで知悉していて、喋りまくるのだ。あの低音で。

選手上がりの解説者は、ベテランのアナウンサーから喋りを勉強しながら解説を覚えるらしいが、
そもそも森山は喋りのプロであり、NHKの看板アナである筈の堀尾正明アナも押されっぱなし。
しかも、戦況分析はなかなか的確で、なまじの本業(誰とは言わないけど、○ー○大○保氏とか)
よりよっぽど説得力があるのだ。何しろ、あの声だし。
スロー画像を見ながらの投手の球種チェックなど本来は解説者の仕事のはずだが、
森山が「山本昌のシンカーはリリース時に指先で抜いているんです」などと解説してしまうので、
解説者・小早川毅彦の出番が無いの。実況の途中でチャイムを鳴らし、
「小早川チェックのコーナー」などと言って、堀尾アナが必死で小早川にも話をふっても、
結局殆ど森山が喋ってしまうので、さすがに小早川氏が気の毒になったが、笑ってしまった。

堀尾、小早川ですらその有様だから、レポーターの竹林宏アナなんか、森山が何か喋ると、
そのデータ探しに右往左往していて、コントみたい。しかし、岡本真也投手がリリーフ登板すると、
森山が思いついたように「去年より太った」と指摘するので、慌ててデータを調べてみたところ、
本当に去年より5キロ体重が増えていたことが判明したりして、周一郎先生侮りがたし。
そこでさらに「メジャーの中継ぎには、よく腹が出た投手がいるけど真似してるのか」
なんていうのは、言わずもがなのジジイの洒落だが。

2ちゃんねるを見たら、賛否では否定が7割くらいという印象だった。私は負けたヤクルトファンだが、
今日は本当に笑った笑った。時々やってる徳光和夫の巨人偏向中継の方がよっぽど不快。
老人がテレビを見ている時にありがちな、“見たもの全てにコメントしてしまう”癖さえ無くせば、
是非レギュラー化して欲しい位だが、それが一番難しいのかも知れない。
b0058309_1943023.jpg

(以下5/4追記)
3日のNHKプロ野球中日-ヤクルト戦の中継で、ゲストの俳優森山周一郎(70)が「中日が優勝すると不吉なことが起きる」との趣旨の発言をし、同局に抗議が約240件寄せられた。尼崎JR脱線事故の直後だけに、不謹慎と受け止めた視聴者が多かったようだ。また森山が積極的なトークを展開したため「しゃべりすぎ」「うるさい」などの批判も多かった。同局は「重く受け止めている。今後、ゲストの選定などに視聴者のご意見を生かしていきたい」とコメントした。
[2005/5/4/08:23 日刊スポーツ紙面から]

予想されたこととは言え、抗議殺到(苦笑)。まあ「不吉なこと云々」だけは余計だったですかね。
しかし、世の中には何と狭量な御仁が多いことか。私は森山先生支持を表明したい(笑)。
私は、ここまでテレビの“暗黙の了解”を逸脱して喋り続ける人を見たのは、「笑っていいとも」で
1時間近く喋り続けた有吉佐和子氏以来なので、興奮しながら見続けてしまった。
茶の間にいながらにして“日常ルール”を逸脱するハプニングを楽しめるなんて、滅多に無いのに…。
[PR]
by funatoku | 2005-05-03 18:50 | テレビ・ニュース | Trackback | Comments(2)