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福田和也「総理の値打ち」(文春文庫)

初代・伊藤博文から五十六代小泉純一郎まで、歴代総理大臣を100点満点で採点。

まず高得点組(引用)
伊藤博文 アジア最初の立憲政体の生みの親であり、自ら作った制度の下で政治家として
活躍した最初の議会政治家として、その功績は不朽といわざるをえまい。(91点)
山県有朋 抜擢の才能、つまりは遺賢を求める能力は卓越していた。(85点)
岸信介 憲法や安全保障という国家のアイデンティティにかかわる事柄と、産業経済という
国民生活に密着する分野の双方において、卓越した仕事をした(略)(81点)
原敬 原内閣は、多くの成果を残している。(略)軍の政治力を抑える一方、海軍の近代化にも
務めてもいる。米騒動以来の物価高騰の抑制に成功し、税制を改革した。(略)明治国家から
よりモダンな国へと日本が脱皮するために原がなした貢献は大きい。(73点)
加藤高明 日ソ国交の回復、普通選挙法の制定、治安維持法の改定など大きな仕事を
こなしている。(略)四個師団の廃止を眼目とする軍縮を実現した(略)議会制の下でのシビリアン・
コントロールを貫徹するだけの政治指導力を発揮できた宰相として政治史に大書されるべき(72点)

一方、低得点組(引用)
細川護煕 スタイルの斬新さ以外何も残さなかった。(31点)
森喜朗 「木を見て森を見ない」性格で、総理の器とみなすものは誰もいなかった。(30点)
村山富市 実質的には社会党を解体するための政権だった。(28点)
吉田茂* 占領が終結した後に、彼がすべてを話し、謝し、説明すること。だが吉田はそれを
しなかった。(27点) 引用者註*吉田については占領中は68点としている。
近衛文麿 貴族政治家というより、むしろ元祖ポピュリストと考えるべきだろう。(17点)

小泉純一郎については、読んでのお楽しみいうことで、敢えて外しておいた。さて、どちら?

巻末には国正武重、中西輝政、保阪正康氏との座談会が収録されており、本文の評価について
論客の三氏が意見を述べていて面白い。福田氏は「今日は出来の悪い修士論文の口頭試問に
臨むような気で参りました」とのことだが、読者自身が自分なりの採点を考えることが、
近代日本史を考え直す作業になるはずで、本書はその案内状であると言えよう。
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by funatoku | 2005-04-30 18:21 | 文庫・新書 | Trackback | Comments(2)

向井滋春「PLEASURE」(Columbia)

「後悔先に立たず」とはよく言ったもので、本でもCDでも気になった時に買っておかないと、
もうなかなか手に入らないということが結構あるが、私にとってこのCDはそれにあたる。
80年の発売時に貸しレコード屋で借りて、カセット・テープに録音し、すっかり気に入っていた。
当時の小遣いで2500円のLPレコードを買うということは、なかなか出来なかったのだが、
その後CD時代になっても、このアルバムは一向にCD化されず、私にとっての“幻の一枚”に
なっていたのである。その間、何と四半世紀。いや、長生きはしてみるもんである。

このアルバムはフュージョンの隠れた名盤である。今回はオリジナル盤のライナー・ノートが
収録されていて、それには「余り出来が良くない」という意味のことが書かれているのだが、
確かに向井のトロンボーンに関しては、ベストとは言い難い出来なのだろうと思う。
しかし、それを補って余りあるほど、バックのミュージシャン達の演奏が充実しているのだ。
松岡直也(key、arr、produce)、ウォーレン・バーンハート(key)、ホルヘ・ダルト(key)、
ジェフ・ミロノフ(g)、ニ-ル・ジェイスン(b)、スティーブ・ガッド(ds)、ラファエル・クルーズ(per)、
ナナ・ヴァスコンセロス(per)、ゲスト:川崎燎(g)。

フュージョン・オール・スターズのようなメンバーだが、特にスティーブ・ガッドが絶好調。
1曲目「ドラゴン・ファナティック」は、ニューヨーク風ラテン・フュージョンという曲調で、
こういう曲を叩かせたら右に出る者はいない。ギター・ソロ部分のリズム・パターンなど
バッキングであるにもかかわらず、デモーニッシュな凄味すら感じさせる名演。
また、ジェフ・ミロノフ入魂のギター・ソロが素晴らしい。この人は地味なスタジオ・ミュージシャンで、
ソロ・アルバムなどは出していないはずだが、とにかく曲調を大切にした、自己主張が煩くないソロを
聴かせてくれるので、私は大ファン。渡辺貞夫「モーニング・アイランド」「オレンジ・エクスプレス」、
デイブ・グルーシン「マウンテン・ダンス」といったこの時期のフュージョン名盤でも脇を固めている。

6曲目、7曲目は当時ラジオでもかかっていたのを覚えている。特に7曲目「ハドソン・ブリーズ」は、
スティーブ・ガッドの煽りまくるドラムに触発されて、向井のトロンボーン・ソロも伸びやか。

1. DRAGON FANATIC
2. WIND BELL
3. MIRAGE
4. STILL MISS YOU
5. FROM THE LONLY AFTERNOON
6. DON’T TOUCH MY MUSTACHE
7. HUDSON BREEZE
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by funatoku | 2005-04-28 01:03 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(2)

そもそも制限速度が同じでよいのか?(尼崎脱線事故について)

兵庫県尼崎市のJR福知山線で25日朝、快速電車が脱線した事故で、電車が現場カーブに差し掛かった時の速度は時速100キロを超え、制限速度(同70キロ)を大幅に上回っていたことが、県警捜査本部(尼崎東署)と国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。
 県警などによると、モーターやブレーキなどの作動状況を電子データとして記録する「モニター制御装置」(車両モニター)が車両に取り付けられており、非常ブレーキをかけた場合、その5秒前から記録が残る仕組み。
 県警と事故調は、装置を分析した結果、電車は時速100キロ余りでカーブに進入、直後に急ブレーキがかけられていたという。
 JR西日本によると、福知山線での快速電車の制限速度は、直線部分は時速120キロだが、現場カーブは70キロ。高見運転士が直線での減速を怠り、慌てて急ブレーキをかけた疑いがあるとみられる。(読売新聞) - 4月27日8時25分更新

死者90人を超える未曾有の大惨事について、このお気楽ブログで書いていいものか迷いましたが、
鉄道好きの一人としてはやはり黙っていられません。亡くなられた方のご冥福を心より祈ります。
もっとも現時点では、事故の原因については全く判っていませんし、「鉄道好き」といっても、
私は車輌については全く疎いので、ここに書くのはとても素朴な疑問に過ぎません。

今回の事故の207系は「軽量化車輌」です。東京で言えば、中央線のオレンジ色の車輌は
従来の鋼鉄製の重いタイプで、総武線各駅停車の銀色の車輌などが軽量化されたタイプです。
車輌が軽いと、使用する電気の量が少なくて済むので、省エネの観点からも普及しています。

皆さんは子どもの頃、電車のおもちゃで遊んだことはありますか?プラレールとかああいうの。
あの記憶を呼びおこすと、軽い車輌の方が脱線しやすいのではないかと思うんですね。
今回事故が起きた場所は、カーブになっており70キロ制限ということです。
しかし、重量によって脱線しやすさが違うとすれば、そもそも同じ制限速度でよいのでしょうか?
軽い車輌は、制限速度も低く設定するべきなのではないかと思えてならないのです。
いや、ド素人のトンチンカンな議論で申し訳ないんですけど…。
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by funatoku | 2005-04-27 09:47 | テレビ・ニュース | Trackback | Comments(0)

古田敦也選手、2000本安打達成

 プロ野球ヤクルトの古田敦也捕手(39)は二十四日、愛媛県の松山中央公園野球場(坊っちゃんスタジアム)で行われた広島5回戦の六回、大竹寛投手から三塁線を破る二塁打を放ち、プロ野球三十二人目の通算二千安打を達成した。
 大学を卒業し、社会人を経てプロ入りした選手では初。三十九歳八カ月の達成年齢は、四番目の高齢。捕手一筋の選手としては元ヤクルト監督の野村克也氏(現シダックス監督)以来二人目で、ヤクルトの生え抜き選手としても若松勉監督に次いで二人目。
 古田は一九九〇年四月三十日の巨人戦で木田優夫投手から二塁打を放って初安打を記録。以来、プロ十六年目、通算千八百八十四試合目で大台に到達した。
(産経新聞) - 4月25日3時6分更新

結局私は直接見ることは出来ませんでしたが、無事に達成されて良かったです。
打者として2000本を打ったのに、今回ほど“捕手”という守備位置が注目されたことはありません。
(例えば立浪和義の場合、2000本と彼の守備位置が併せて語られることは無いでしょう)
私は野球を見始めた頃から、捕手は何故打撃が弱いのか、ということが不思議でした。
過酷なポジションと言われ、野村克也を除いて、打者として注目されることは余り無かったのです。
しかし、常に投手の配球を考えている捕手は、その洞察力を打撃に活かせないものなのでしょうか。
私のそういう疑問に、西武の伊東勤が最初に応えてくれそうだと思っていたのですが、
伊東はその後、“意外性の打者”になってしまい、伝統的な捕手像の中に納まってゆきました。
そこに伏兵のように現われたのが古田敦也で、入団2年目に.340で首位打者を獲得したのです。

熊谷組からオリックスにドラフト1位で入団したが大成しなかった“パンチ佐藤”こと佐藤和弘が、
「社会人時代は自分の方が打撃が良かったのに…」と語っていたのが印象に残っています。
入団当初の古田選手は強肩こそ買われていましたが、打撃は殆ど期待されていなかったのです。
当時ヤクルト監督だった野村氏は「“捕手と打者の連動”を有効利用したことが、彼の打撃を
著しく成長させた(サンケイスポーツ)」と語っています。
いつか古田選手に捕手談義、バッティング談義をじっくり語って欲しいものだと思います。

ところで、その晩のスポーツニュースでも、古田選手に捕手としての話を訊いていました。
それによると、投手のとって大切なのは「コントロール」。コントロールのいい投手は受けてて楽しい。
コントロールが良かった投手はヤクルトでは高津臣吾、セでは上原浩治(巨)と山本昌(中)とのこと。
ちなみにその山本昌からは最多の56安打(.329)を打っています。
次いで桑田真澄(巨)46本(.326)、斉藤雅樹(巨)45本(.269)、藪恵壱(神)43本(.309)、
三浦大輔(横)39本(.287)、紀藤真琴(中)37本(.314)、佐々岡真司(広)34本(.262)、
高橋建(広)33本(.379)、槙原寛己(巨)33本(.311)、黒田博樹(広)32本(.360)と続きます。
上原からも25本(.301)打っており、打つほうでもコントロールの良い投手を好むようです。
この辺りにも「捕手と打者の連動」が感じられて面白いですね。
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「古田さんからは以前ブログで打倒眞鍋宣言をいただきまして(笑)それから無性に気になって
しまって、(略)なんちゅうか本当に尊敬しつつ憧れていたのです。そんな古田選手がこのような
素晴らしい記録を!しかも我が地元、松山で打ち立ててくださったこと、ほんとに嬉しく思います!」
古田選手とはブログ界の好ライバル(?)である眞鍋かをりさんの4/25のブログより抜粋
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by funatoku | 2005-04-26 23:27 | ヤクルト・西武(プロ野球) | Trackback | Comments(0)

第46回所沢寄席 春の三つ巴特選会(4/23 ミューズ・マーキーホール)

三遊亭楽花生「つる」 千葉出身ではなく、埼玉出身で春日部高校卒業とのこと。
お馴染の前座噺だが、“鳩”や“雀”の由来(これがまた下らない)など、入れ事の多い「つる」。

柳家さん喬「天狗裁き」 マクラは変な言葉遣いについて。「こちらコーヒーになります」とか。
この日の客層はかなり年齢層が高かったのだが、非常にウケている。

「天狗裁き」夢を聞きたがる心理を、巧みに表現して見せて爆笑を誘う。
「(満面の笑みを浮かべつつ)…で、どんな夢?」このタメがたまらなく面白い。
ホールの広さを意識したのか、表情もオーバー気味につくって観客を掌で転がす。

今日の場合、テレビで名前を知られた楽太郎師、マギー司郎が「呼び屋」とすれば、
寄席で人気のさん喬師は「聞かせ屋」ということになろうが、絶好調でした。

マギー司郎(マジック) 殆ど手品をしないマジシャン。これ以上無いほど脱力しきった芸風。
まるで、手品で“人を騙す”なんて野暮なことはとてもできない、とでも言うような…。

三遊亭楽太郎「お化け長屋」 マクラ。さっき航空公園の駅前を歩いていたら、
オバサンのグループに指さされた。どうしてグループだと羞恥心が無くなるのか。
お化けと幽霊の違い。オバサンは幽霊にはならず、お化けになる。

「お化け長屋」は借り手を追い返したい状況の説明が、ちょっと駆け足で分かりにくかったかも。
なかなか円楽一門を聞く機会がなく、楽太郎師は数年前の「にっかん飛切寄席」以来。
細かい言い間違いが随分増えたような気がする。たまたまなのかな…。
楽太郎師が演じると、“お化けを怖がらない男”が、やけに論理的なのが可笑しい。
終わりまではやらずに、この男が荷物を取ってくる、と帰っていったところでサゲ。

私は落語に一人で行くことが多いのだが、今週は珍しく2回とも連れがあった。
しかも、今晩は母親である。彼女自身、オバサン・グループで行動する機会は少なくない訳だが、
やけに声高に笑うのがグループ内にいたりすると、恥ずかしくて仕方がないそうである。

*  *
滅多に落語を聴かない母親も、「今日はさん喬さんを初めて聴けただけでも、来て良かった」。
私が誘った訳ではないけど、そいつは良かった。
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by funatoku | 2005-04-25 00:05 | 落語 | Trackback | Comments(0)

立川談志と若手精鋭落語家の会・其の二(4/22 調布グリーンホール)

柳家三三「二十四孝」 マクラは女子高生ことば。「今の落語面白かった?」「微妙」
しまいにゃ無かったことにされちゃう。「あり得な~い」
大したネタじゃないのに、間がいいのでやけに面白いのだ。マクラも上手いなあ。
「こだわりシェフの気まぐれサラダ…、って一体どっちなんだか」なんてギャグも同様。

「二十四孝」にはご隠居が出てくるが、年寄りは前座の頃からの得意技。
声にはえらく張りがあるのだけれど(笑)。親不孝者とのやりとりもテンポが良く快い。
「何だ、“母上”なんて符丁を使うから…」なんてセリフに爆笑。

声は大きく明瞭、ストーリーを知らない人でも分かりやすい、そして何より面白い。
学校落語というものは落語嫌いを生みかねない面があると思うのだが、この人が出るなら安心だ。

立川談春「おしっくら」 「三三はあの芸歴の中では一番上手い。将来の名人だから
今のうちにいじめておいて、自分に頭が上がらなくする」見るからにいじめっ子キャラの
談春師が言うとシャレにならないような…。「談志、小三治の確執が、弟子にも続くという…。
談志・小三治の仲が悪いって噂が流れた方が面白いでしょ(笑)」
「練馬でもこの会をやったんですけど、若手精鋭落語家といっても、そんなにいませんから
他には志らく、喬太郎…、そのあたりが入れ替わり立ち代わり出てくるだけで…」
「この後には“何で俺が正蔵じゃないんだ”という人が出てきます。」もう言いたい放題(笑)。

本題は「三人旅」の後半部分。東海道経由ではなくて、中山道の宿場と言う設定。
宿のババアのキャラクターが面白い。延々とやってるんだけど、何だかとっても変なの。
何弁なんだろう。言葉の通じない「15の女」も変。談春師の女の描き方は面白いなあ。
逆に男3人のキャラクターはあっさり、というかあんまり重視していない感じ。
オチは「油を買ってお灯明でもあげてくれ」。髪も抜けたババア遊女って、凄まじいな…。

林家たい平「七段目」 たい平師のマクラは声色を使うものが多い。
市川団十郎と中村福助の真似方→団十郎は息を止めてから。福助は“アイ~ン”の応用。
その他のマクラでもテンポ良く笑わせておいて、「七段目」へ。聴くのは2、3年ぶりか

こういう物真似を入れるネタは、たい平師の得意の世界で、今日一番笑いをとる。
最近聴いたたい平師の高座の中でも、ここまでテンポが速いのは久しぶりという気がする。
ここまで、三三さんは正攻法で、談春師は変化球のチェンジアップで、たい平師は爆笑編、
というなかなか良い組み合わせである。

立川談志「青龍刀権次」 飛び降り自殺したポール牧について、「“ホラ吹きポール”と
言われていましてね。迷惑かけられました」なにか因縁があるのかしら…。
「ライブドアに“もっとやれ”というのが落語家の了見だ」と言ったのは、ニッポン放送で
レギュラーを持っているたい平師に対する強烈なジャブ(?)、かつエールということか。
家元はそれだけたい平師を認めているということでしょう。

「普段やらない噺をやります。なぜやらないかって言うと面白くないからで…」と本題へ。
私は名前も知らなかった噺なのだが。家元以外で今これをやる人はいるのかな。
幕末、侍が芸者を斬り殺すのを見た博打うちの権次は、その侍を強請りに行ったが、
犯人に疑われて逮捕されてしまう。七年の入牢を終えて出所すると、明治になっていたが、
そこであの侍が羽振りが良くなっているのを見つけて、また強請りに行ったら贋札を掴まされ、
今度は五年の入牢。出所した権次は偶々出くわした例の侍を三たび強請りにかかるが、
「爆裂お玉」という女が現われ、権次にピストルをつきつける…。というところで終了。

帰って調べたら、「青龍刀権次」は浪曲や、講談ではよくかかるようで、神田山陽師も
レパートリーにしているらしい。落語で誰がやっているかはちょっと分からない。
途中で色々と注釈や余談が入る“家元流”の「青龍刀権次」になっていた。
終わってから「昔覚えたきりで、殆どアドリブ」とのことだったが、先月横浜で演ったようだ。
それにしても、この噺の結末はどのようになるんだろう?
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by funatoku | 2005-04-24 12:40 | 落語 | Trackback(1) | Comments(5)

ヤクルト-横浜(4/21 神宮)

21日午後、「もみカル」さんから「今日、神宮に行きませんか」というお誘いの電話がかかってきた。
前日雨が降ったのは別に彼のせいではないけど、やはり気持ちの納まりが悪いのかも知れない。
ただし、今日は招待券は無いので自腹である。「もみカル」さんとはよく野球を見に行くが、
実は「ヤクルト-横浜」戦だけは、ちょっと具合が悪い。彼は横浜ファンなのである。
先にチケット売り場に着いていた彼は、一応年長である私に気を使って一塁側を買っていた。

座席は前から15列目だが、神宮球場は前に行くほど見にくいという特徴がある。
バッテリーを真横から見る位置になる。着席したのは2回表途中。古田の打席はまだのようだ。
横浜先発のセドリックは直球とカーブの左腕。不調のラミレスはタイミングを完全に狂わされて、
バットにボールが当たりそうな気がしない。古田敦也の第1打席はサードゴロに終わったが、
次の宮出隆自がレフトにライナー性のホームランを放ち1-0。

一方、ヤクルト先発の藤井秀悟もテンポ良く投げ、試合は速いペースで進んだが、
4回表に多村仁のタイムリーで1点返され1-1の同点。5回先頭の古田第2打席はセンターフライ。
古田の調子も悪そうだが、宮出以外は無安打。セドリックにタイミングが合わないようだ。
7回表についに藤井がつかまった。先頭多村がレフト前で塁に出ると、6番小池正晃が二塁打。
勝ち越し点を許してしまった。「もみカル」さんによると、小池は一軍当落線上の選手だそうで、
好調の横浜打線の中で打率1割台、前の打席でも併殺でチャンスを潰している。
この打席が一軍最後の打席になるかも知れないところだったそうで、こりゃ執念の一発だねぇ。

7回裏先頭の古田はピッチャーゴロに倒れ、今日の2000本の可能性はほぼ無くなった。
8回裏から登板した木塚敦志が2人を抑え、2番青木宣親の打席で新外国人・ホルツ登板。
日本人的な体型をしていて、安定感のあるフォーム。左のワンポイントとして力を発揮しそうだ。
9回表に走者二人を出すも、河端龍が踏ん張って無失点で切り抜けて、いよいよ9回裏。

本来ならここで佐々木主浩登板なのだろうが、先頭の左打者岩村明憲にはホルツが続投して三振。
4番ラミレスの打席でようやく大魔神登場となったのだが、歓声は7:3で一塁側の方が多いようだ。
1球目の直球は、指にキチンと引っかかっていない感じで外角に外れ、調子の悪さを窺わせたが、
2球目の直球をセンター越のホームランで同点。セドリックには全くタイミングが合わなかったが、
今の佐々木のストレートは一番打ち頃だったようだ。5番古田は空振り三振に倒れたが、
6番宮出がサード内野安打で出塁。7番(松元)ユウイチは佐々木のフォークを余裕を持って見逃し
四球で、ツーアウト・ランナー1,2塁。8番土橋勝征がフォークをすくい上げ、決勝打となった。
ヤクルトのサヨナラ勝ちである。ヒーローインタビューは「皆さん古田さんの2000本を見にこられた
でしょうが、長い目で見てください」。ベテラン名脇役ではないと言えないセリフだ。

一方、敗戦投手となった佐々木。“横綱”だけに中継ぎ降格等はあり得ず、あるのは引退だろう。
実際、翌日一軍登録を抹消されていたが、さて復活はあるのだろうか。
古田の2000本を見に行ったのだが、一番印象に残ったのは、落日の佐々木だったのである。

      1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 安 失
横浜   0 0 0 1 0 0 1 0 0 2 9 0
ヤクルト 0 1 0 0 0 0 0 0 2X 3 5 0

観衆数:17798人
勝利投手 河端(1勝1敗0S)
敗戦投手 佐々木(0勝3敗4S)
本塁打 [ ヤクルト ] 宮出 2号(2回裏ソロ)、ラミレス 3号(9回裏ソロ)

横浜バッテリー   セドリック、木塚、ホルツ、佐々木 - 相川
ヤクルトバッテリー 藤井、佐藤賢、河端 - 古田
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by funatoku | 2005-04-23 10:42 | ヤクルト・西武(プロ野球) | Trackback | Comments(0)

幻の2000本安打

今日はちょっとボヤく。

ヤクルトは最下位に沈み、西武もBクラス低迷。期待していた楽天は100敗ペース。
悪い時に応援してこそ真のファンとは思いつつ、こりゃ悪過ぎだよ(苦笑)。

そんな折、「もみカル」さんから神宮での試合に誘われた。
「古田の2000本安打は終わっていると思うんですけど…」などとチケットを渡してくれたのだが、
その古田は開幕以来不調続きで、なかなか2000本に到達しない。
おやおやと思っていたら、昨日の試合終了時点で1998本、あと2本というところまで来た。
企まずして貴重な2000本を見られるのか、と期待に胸はふくらんだのだが…。

そう、私たちが持っているのは、“今夜の試合”のチケットなのだ…( TeT)。
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by funatoku | 2005-04-20 16:12 | ヤクルト・西武(プロ野球) | Trackback | Comments(0)

吉行淳之介・編『酒中日記』(中公文庫)

「小説現代」で昭和41年から連載が始まった「酒中日記」は、毎月作家が日記形式で
酒の話を書き綴るというものである。人気作家のプライベートや、作家同士の意外な付き合いを
覗かせてくれるという趣向で人気が出たが、小気味いいまでに非実用的なところが面白い。
本書は連載第1回を担当した吉行淳之介が編者となり、計32人分を収録したアンソロジー。
では、各作家が誰と一緒に飲んだのか、ちょっと見てみよう。ここでは偶然会った人も含める。

吉行淳之介(66.1) 川上宗薫、日沼倫太郎、徳間康快、三木のり平、安岡章太郎
北杜夫(66.3) 福永武彦、吉行淳之介、安部公房
開高健(66.7) 小松左京、星新一
安岡章太郎(66.9) 大江健三郎
瀬戸内晴美(67.2) 小林秀雄、江藤淳、今東光、水上勉
遠藤周作(67.3) 石垣純二、大空真弓、山本富士子、園まり、桑野みゆき
阿川弘之(67.6) K(恐らく近藤啓太郎)
結城昌治(67.9) 生島治郎、田辺茂一、梶山季之、福永武彦
近藤啓太郎(67.10) 坂田栄男、山口洋子、秋山庄太郎
生島治郎(67.11) 阿川弘之、結城昌治、佐野洋、三好徹
五木寛之(67.12) 秦正流、横田瑞穂、渡辺晋、渡辺美佐、藤本真澄、黛敏郎
黒岩重吾(68.6) 田辺茂一、新橋遊吉、後藤明生、柴田錬三郎
笹沢左保(68.7) 陳舜臣
野坂昭如(69.6) 浅見淵、夏堀正元、後藤明生
長部日出雄(69.12) 吉行淳之介、殿山泰司
陳舜臣(70.6) 赤尾兜子、結城昌治、山口瞳、五木寛之、徳間康快、梶山季之
田中小実昌(70.7) 佐木隆三
田辺聖子(70.8) 佐藤愛子、杉本苑子、内藤武敏、山内明、陳舜臣
渡辺淳一(70.11) 船山馨、有馬頼義、早乙女貢
星新一(72.3) 広瀬正、豊田有恒、半村良、石川喬司、平井和正、大伴昌司
丸谷才一(72.12) 開高健、ドナルド・キーン、篠田一士
山口瞳(76.11) 関保寿、大内延介、真部一男、青野照市、滝田ゆう、中上健次
色川武大(79.11) 木下華声、田中小実昌、水上勉、阿刀田高、野坂昭如、殿山泰司
阿刀田高(79.11) 田中小実昌、色川武大、吉行淳之介、塩田丸男、志賀信夫
筒井康隆(85.8) 内藤誠
山田詠美(87.10) 野坂昭如
吉村昭(88.2) 津村節子
水上勉、山田風太郎、半村良、宮尾登美子各氏は著名人の実名を挙げていないし、
井上ひさし氏は、自分がいかに酒に弱いかについて縷々説明しており、飲みに行っていない。
山口洋子氏は当時バーのママであり、津村節子氏は吉村昭夫人だからちょっと例外かも。

私が一番面白かったのが結城昌治氏の回。しきりに生島治郎氏が現われ、肉を食べたがり、
ギャンブルをしたがる。仕事に帰った筈の生島氏と、酒場で再会する場面などコントのようだ。
翌々月にその生島氏が登場、阿川弘之氏に「他人の家の晩飯を食い荒らしておるそうじゃないか」
と問い詰められたことを冒頭に書き記すなど、なかなかの名コンビぶりを発揮している。

こうして見ると、既に物故者も多いし、現在の大ベテランがまだ若くて飲み歩いている。
“文壇”というものがまだ威光を持っていた時代の記録としても、読めるかもしれない。
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by funatoku | 2005-04-20 01:29 | 文庫・新書 | Trackback | Comments(2)

「タイガー&ドラゴン」第1話 芝浜(4/15 TBS)

人気脚本家宮藤官九郎が、落語をテーマにしたドラマを手がけるということで評判になっています。
まだ第一回ということで、取り急ぎ簡単な感想だけ。

私は1月にやった特番を見られなかったので、設定がちょっと分かりにくかったかな。
西田敏行の高座姿はなかなか様になっている。ネットでは変な真打より上手いなんて意見も
見ましたが、さすがにそれはちょっとどうかなあ…。ドラマはぶつ切りで撮影しているでしょうし、
比較しても意味が無いでしょう。
「芝浜」とドラマのストーリーをリンクさせながら、長瀬智也に現代版「芝浜」を語らせるなど、
脚本の凝り方には感心しました。これ毎回考えるのは、大変でしょうね。
短いシーンを多用しているように見えたのですが、これはクドカン・スタイルなのでしょうか。
この方のドラマを初めて見るのでよくわからないんですよ。あるいは私の気のせいか。

脇役だと蒼井優が面白い。なかなか“おいしい”役かも知れません。
二つ目役の春風亭昇太師匠が落語指導をしているそうですが、演じる場面はあるのかな。
ヤクザの親分役の笑福亭鶴瓶師匠は、一席演じるらしいですね。これは楽しみ。
一門の前座役などは、本物の前座を起用して欲しかった気もしますが、どうでしょう。

このドラマ、古典落語のストーリーに疎い若い視聴者には、どのように受け止められたのでしょうか。
粗筋を知らなくても楽しめたのではないかと私は感じましたが、一番気になるところではあります。
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弟子を取らない主義の春風亭昇太師匠が落語指導。今回が最初で最後の「弟子」という噂も。
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by funatoku | 2005-04-17 23:57 | テレビ・ニュース | Trackback | Comments(0)