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メロン記念日「THE 二枚目」(zetima)

一年半ぶり二枚目のアルバム。前作はシングル曲中心だったが、本作はシングル5曲*、
アルバム曲7曲という構成。発売日は明日なのだけど、第一印象ということで。

シャンパンの恋*→ミディアムテンポの大人っぽい曲。悪い曲ではないのだけど、
打ち込みリズムが曲調に合っていないのが残念。コーラスはなかなか良い。
涙の太陽*→お懐かしや安西マリア。でも何故、今メロンが歌うのかな。
刹那さRanking→シンプルなロックンロール。斉藤、柴田の声質はロック向きかも。
チャンスof LOVE*→アルトサックスが泣き節を唸ると、ムード歌謡みたいですな。
キライ、スキスキスキ ホント、ウソウソウソ→モータウン系のアレンジと、コード進行だが、
あれ?はたけ作曲か。得意のロックじゃないんですね。
かわいい彼*→ユーロビートって言うんですか?名前知らないけど。乾いたビートと
湿ったメロディのミスマッチ狙い。つんくの変化球が決って、シングルでは最も佳曲。
レモンタルト→S・ワンダーの「サンシャイン」に似た曲調。初期ユーミンっぽい
シンプルなアレンジで、ボーカルを前面に出した鈴木俊介の技あり。一番気に入った。
MI DA RA 摩天楼*→フラメンコギターがメロディにからむ曲。
愛してはいけない…→これも一昔前のユーミンっぽいな。歌詞も含めて。
ラストシーン→まこと作詞、はたけ作曲。B級テイストとしか言いようが無い。
努力・系・美人→メロン初期の雰囲気があるポップな曲。コミカルな歌詞と合う。
THE二枚目~ON MY WAY~→大袈裟とコミカルの中間を狙うのは、ミニモニ。でも
使われた小西貴雄得意のアレンジ。アルバム曲らしく楽しい仕上がりになっている。

アルバム曲をたいせー、はたけ、まこと等シャ乱Q仲間に任せたのは、ファンからは
否定的に受けとられそうだが、曲が単純なので結果としてメロンのボーカルが前面に
出たのも事実。最近のつんくは音を詰め込み過ぎ、いじり過ぎの傾向が強いしね。

次回作(あるのか?)はボーカリストとしてのメロン記念日を更にフィーチャーして欲しい。
今回無かったジャズ系の曲や、ミュージシャンを起用するのも一案でしょう。
あとメロンはカップリングに佳曲が多い。それだけでもアルバムになりそうなのだ。
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by funatoku | 2004-11-30 15:49 | メロン記念日 | Trackback | Comments(0)

メロン記念日「ライブツアー2004夏~極上メロン~」(DVD)

毎回ダイブやモッシュが現れるほど盛り上がるメロン記念日のハウスライブ。
8/15zepp東京でのライブに、リハやバックステージなど特典映像が付いて計166分。

ツアー開始前のインタビュー
柴田あゆみ「最初のライブとは見せ方、歌い方が変わったと思う。
メロンのライブはお客さんの盛り上がりがすごい。」
斉藤瞳「余裕が出来て、自分達らしい表現を出来るようになった。
でも余裕があり過ぎても、いいものにはならない。みんなの意思が前に出てきた」
村田めぐみ「最初のライブのソロではビビっていたが、梅雨メロンでは楽しめた。」
大谷雅恵「今までは言われたことをやるのが精一杯だったが、
生でライブをやるうちに、自分たちをどう見せて行くのか、欲が出てきた。」

斉藤「前回広島では具合が悪くて途中退場してしまった。初日からリベンジ。」(広島)
大谷「初日はお客さんが驚くのが楽しみ。鳥肌が立ってしまう。」(広島)
斉藤「ロックを歌っているグループとしては、喜ばしい…」(神戸)
「(チキンジョージ内の梯子段を昇りながら)大丈夫、大工の娘だから。」(神戸)
柴田「私、Mr.BIGさんのかすれたボーカルが好きなんですよ。」(神戸)
「(チキンジョージに貼られたステッカー類を見て)メロンも貼りたいですね。」(神戸)
「“香水”は歌詞がトンだことが何回かありまして、リハで時間を貰ってます。」(神戸)
斉藤「(英語の歌詞の朗読の練習をしながら)どこで切るんだ?」(名古屋)
村田「(チアガールの衣裳で)23歳になってます。今じゃなきゃ着れないから。」(東京)
柴田「東京は身内やハローのメンバーが見に来るので緊張しますね。」(東京)
斉藤「(愛犬を抱きながら)初めて連れてきちゃいました。」(新潟)
「今回のライブは最初から最後までスピード感があります。」(新潟)
村田「地元のライブではいつも緊張するんですが、今日は落ち着いちゃっていて。
成長した自分を見せられるかなと。歌いに帰って来ているんで」(仙台)
大谷「自分の表現力不足がわかった。強弱も必要なんです。一曲づつ考えて歌うように
なったら自然に歌が前に出てきた。私の声をわかってもらえると嬉しいかな。」(札幌)
「札幌まで出て来るのが大変なんですけど、北海道って。」(札幌)
柴田「(子連れの男性客にオッサンコールをする客席に)ちょっと待って。失礼。」(福岡)
柴田「バンダナの番だな。」(大阪)
村田「(リハ中にトークのネタを考えながら)うーん、違う。また後で考えます。」(大阪)
「いいライブでした。悔い無し。」(大阪)

ソロ4曲、デュオ2曲。当日現場で見て、私が印象に残ったのは、歌唱への自信と意欲。
そろそろ生バンドをバックにハモりを聴かせるようなライブを聴いてみたいし、
その実力をつけつつあると思う。もはやハロプロに在籍する意義は減っているのかも。
(ケース写真:左から斉藤瞳、柴田あゆみ、大谷雅恵、村田めぐみ)

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by funatoku | 2004-11-29 20:52 | メロン記念日 | Trackback | Comments(0)

ブログについて

先ほど、通算のご来場者数が100人に達しました。ご愛読(?)に深く感謝しております。

一日平均4人というのは、随分多いので驚いています。ここのURLは数人にしか
知らせていませんし、その中には日常的にネットに繋がっていない人もいるのです。
つまり私が存じ上げない方がいらっしゃらないと、こんな多人数にはならない筈です。

どうやって来たの、ここに?“ブログ・サーフィン”のような見方をしてるのかな。
たまたま何かを検索したら、引っ掛かってしまったのでしょうか。うーむ、謎だ。
話題があちこち飛ぶので、一定テーマを求めて来られた方には申し訳ない限り。
そうした方や飽きる方もいて、段々来場者数が減ってゆくだろうとは予想しています。

ご覧の通りの極私的内容なので、もとより来場者数を増やそうという気はありませんが、
やはり励みになりますね。自分しか読まない日記だと三日で終わっていたはず。
今後ともどうか宜しくお願い申し上げる次第でございます。

ちなみに一日最多はメロンレポの日の9人。何故か0人の日はありませんでした。
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by funatoku | 2004-11-28 11:49 | Trackback | Comments(0)

下丸子らくご倶楽部(11/26 大田区民プラザ)

フリートークで現れた志らく師匠のウエストが、何だかすっきりしたなと思ったら、
8㎏痩せたそうだ。ダイエットではなく、しばらく体調不良だったらしいが。

志らくはまず昨日まで上演していた芝居の話。兄弟子の談四楼は終演後泣いていたとか。
「落語は孤独な仕事。芝居の共同作業の達成感は60近い落語家が泣くほどなんです。」
「落語家は集まれば仲間の悪口。でも花緑は人の悪口を言わないし、言われない。」
花緑はコマ劇場でマツケンサンバを見てきた話から、母親がヨン様にハマった話。

柳家花緑「そば清」俳優をしてる兄の話や、その兄と最近行った祭の見世物小屋で、
蛇女を見た話でたっぷりとマクラ。ちなみに蛇女は、生きた蛇をそのまま囓るらしい。
本題に入ると、いやー、速いのなんの。会話も刈り込んであるようで、
「この蕎麦と(ズル)いうものは(ズル)体調に(ズル)左右される(ズル)…」と快調に蕎麦を食う。
さすがに最後近くは速度を落とし、表情で笑わすあたりは、亡き小さんの面影が…。
サゲは「パッと見ると清兵衛さんだけが溶けて、蕎麦が羽織を着ておりました。」
志らくの疾走感と小さんの表情を併せた感じ。これが今の花緑らしさなのかも知れない。

立川笑志「狸賽」マクラでは奈良の少女誘拐殺人にふれ、「犯人は宮崎勤のような
変態と言われておりますが、写真を見る限り…………、宮崎の方が趣味がいい」
子狸は職人風の喋り方。実は進行が20分遅れていたのだが、サラリと前座噺。
センスの悪い奴に限って、こういう時にでしゃばってトリの時間を減らすんですね。

立川志らく「崇徳院」熊五郎が志らく得意の“パワフルな危ないヤツ”になっている。
私はこれが大好きで、登場してくるだけで、もう可笑しくって仕方がない。
志ん五師匠が与太郎をやらなくなってしまった今、私が思う最強キャラの一人だ。
著書「全身落語家読本」で高く評価していた馬生のくすぐりをアレンジしたみたい。
若旦那の説明聞いた熊さん「英語?」。旦那にそのまま伝えたら理解され「英語上手いね」。
こうして書いても、何のことやら分かりませんが…。志らくワールドに引き込んだ一席。

毎月末金曜夜に志らく、花緑が出演して、当日券1800円という穴場である。
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by funatoku | 2004-11-27 00:23 | 落語 | Trackback | Comments(0)

今尾恵介『地図を探偵する』新潮文庫

堀淳一さんが今尾恵介さんの文庫の解説を書いている。
ということに、何故私が興奮しているのか、ちょっと説明を必要とするだろう。

堀さんが『地図のたのしみ』で日本エッセイストクラブ賞を受賞したのは72年のことである。
新旧の地形図を比べ、埋もれかけた旧道や鉄道廃線跡を歩くというマニアックな内容を、
平易な文章で描き出して、少年時代の私も旅情をかき立てられながら読みふけった。
90年代に入って廃線跡や産業遺跡がブームになったりもしたが、堀さんがいなければ
果してどうなっていたか…。何しろジャンルそのものを開拓した人なのだから。
堀さん自身はブームに関係なく、北大教授も定年前に退官し、マイペースで書き続けた。

一方、今尾さんは94年に地方出版社であるけやき出版から『地図の遊び方』を刊行、
今年新潮社から刊行した『住所と地名の大研究』も話題を呼ぶ気鋭の地図エッセイスト。

この親子ほど年の離れた同業者に対する堀さんの視線は、限りなく優しい。
「私は多くの点で今尾さんにかなわない。…まず読図力。現地の自然・人文風景を読み取る
能力にさほどの差はないと思うが、さらに進んでその成り立ちに思い及ぶ能力となると、
私の嗜好は自然に偏していて、人文については今尾さんに遠く及ばない。」
「単に廃線跡を歩くというだけの記事ではない。…北海道内のすべての国鉄・JR線の
廃止状況とその背景、廃止前後のバス交通の推移、道内の公共事業のあり方、
地名の考証、町おこしに対する批判など、多岐にわたる話題が盛り込まれている」…
「以上のような諸能力をフルに発揮しても、文章力がなければ、読者をおもしろがらせ、
ぐいぐいと引っ張ってゆくことはできない。それには卓越した文章力が要る。
今尾さんはそれにも十分に恵まれている…」

大御所(という言葉が似合わない人柄だが)から後輩への思いが込められた「解説」。
今年78歳になる堀さんから、45歳の今尾さんへのバトンタッチなのではなかろうか。
ファンの一人としてはご両所の今後の活躍を祈るや切である。

なお、初読の方は新潮OH文庫「地図の遊び方」「地名の謎」から読まれることを奨めたい。
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by funatoku | 2004-11-26 14:40 | 文庫・新書 | Trackback | Comments(0)

童門冬二さん(作家)

目黒区内で会食(というかご馳走になったわけですが…)。

「東芝の創業者は、からくり儀右衛門というからくり人形の名人なんですよ。
久留米の出身なんだけど、鍋島閑叟に技術力を買われて佐賀藩に行くんです。」
-すると幕末の肥前藩の飛躍に一役買っていたかも知れないですね。
「そうなんです。彼がいなければ、薩長に互していけなかったかも知れない。
江戸末期、加賀の豪商・銭屋五兵衛の下にも大野弁吉というからくり師がいるんです。
五兵衛が刑死した後も、明治まで生き残った。最近、金石に記念館が出来ました。
愛知県では祭の山車にからくり仕掛けが多いんですが、藩が技術者を集めた影響です。」
-昔の“プロジェクトX”みたいな話がありそうですね。
「同じですよ。いままでは歴史ものの主人公は政治家ばかりだったけれども、
最近は技術者も注目されるようになってきています。結果が分かりやすいしね。」
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by funatoku | 2004-11-25 22:22 | 一期一会 | Trackback | Comments(0)

“新規参入”した頃の国鉄スワローズ


楽天イーグルスの三木谷浩史オーナーは15日に「拡張ドラフト」開催を要求したという。
聞き馴れない名前だが、要は既存球団に「選手を分けてくれ」ということらしい。
何十年も新規参入が無かったので、かつてどのような事例があったのか調べてみた。

国鉄スワローズが新規参入を正式表明したのは、昭和25年1月5日のことだった。
オーナーは国鉄の外郭団体・交通協力会の会長・三浦義男氏(のちの宮城県知事)。
監督には法政大学出身で、プロ野球の審判員を務めていた西垣徳雄氏が就任した。
西垣氏が旧知の加賀山之雄国鉄総裁に、球団設立を勧めたのが契機になったのである。
だが、選手集めは難航した。この年からセ・パ2リーグに分裂、他に6球団が新設されたため
とにかく選手不足。先行チームが既にアマチュアの有望選手との契約を完了していたのだ。

国鉄の加盟条件として、セ・リーグ既成球団が二人づつ選手を供出するという約束があった。
ところが、この約束は反故にされたのである。巨人は既に大洋、広島、西日本に
供出したばかりであり、阪神は毎日に主力をごっそり引き抜かれた直後であった。
同情の余地はあるものの、随分ひどい話である。梯子を外された気分だったのではないか。

いよいよ窮した国鉄は、日本各地の鉄道管理局のノンプロチームから主力選手をかき集め、
中央大学の高橋輝投手、専修大学の初岡栄治投手を、中退させて入団させたりもした。
結局、戦前の阪急に在籍した中村栄遊撃手を唯一のプロ経験者として春の開幕を迎えた。

しかし、10連敗を喫するなど余りの貧打ぶりに、西垣監督は球団に補強を要請する。
藤田宗一は戦前のノンプロ・川崎コロムビアのスター選手で、当時は監督を務めていた。
森谷良平は八幡製鉄を経て、23年秋に松竹ロビンスに入団。当時は二軍監督だった。
補強した二人は法政出身の強打者だったが、既に藤田35歳、森谷37歳の大ベテラン。
更に戦前の満鉄クラブ以来の現役復帰になる捕手の宇佐美一夫(36歳)を入団させた。
しかし、何とこの三人がそのままクリーンアップを打ったというから驚く。
藤田、森谷.288、宇佐美.284というシーズン打率は、当時としては悪くないのだ。
彼らがいなかったら、一体どういうことになっていたのか、想像すると恐ろしい。

で、楽天どころではない悲惨な出発をしたこのチーム、当然最下位を独走したと思うでしょ。
ところが、8月に高校を中退した金田正一が入団し、8球団中7位を確保したのである。
(参考文献:徳永喜男「ヤクルトスワローズ球団史」ベースボールマガジン社)
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by funatoku | 2004-11-24 18:58 | ヤクルト・西武(プロ野球) | Trackback | Comments(0)

テリー伊藤『ダメ監督列伝』(知恵の森文庫・光文社)

本書に登場する27人の野球監督のうち、私は別所毅彦以外の監督時代を覚えている。
ところが本書に出てくるエピソードや発言は知らなかったり、忘れていたのが多かった。

「たとえ勝っても負けても、私の人生は全然変わらない」(吉田義男)
野茂英雄の渡米騒動の間、終始、野茂を非難し続けた(鈴木啓示)
南海の監督に就任した直後に19歳になる隠し子が発覚した(杉浦忠)
監督三年目に大阪ドームに移転すると、急に「つなぎの野球」を唱え始めた(佐々木恭介)
批判記事を書いた新聞記者に殴りかかろうとした(村山実)
「私がめざす野球は『ラーメン野球』です」(達川晃豊)
大差で負けている試合の途中で弁当を食べていた(別所毅彦)
ヤクルト時代、優勝チームに大きく負け越したが、二位には常に勝ち越す(関根潤三)
オーナーが「広岡が断ったので荒川に」と公言、しかもその広岡がコーチに(荒川博)
投手陣の適性を見るためにパチンコをさせた(稲尾和久)

出典の記載が無いので、時期不明で、正確性にもいささか疑問は残るのだが、
いかにも彼らがやりそうで、光景が目に浮かぶようだ。“テレビ的”と言い換えられるかも。
著者には毒舌のイメージも強いが、本書はボタンの掛け違いで、ダメ監督のレッテルを
貼られることになった名選手たちへの愛情に満ちたオマージュになっている。
特に達川晃豊と藤田平の章などは、野球論という枠組みを超えて心を打たれた。
ただこの本、下世話な例えが多いのだが、かえって解りにくくしているようにも思えますな…。
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by funatoku | 2004-11-24 02:55 | 文庫・新書 | Trackback(2) | Comments(1)

中村うさぎ『変?』角川文庫

中村うさぎの最新の週刊文春連載エッセイのタイトルは、「生きることを考える」。
ブランド物依存、ホスト依存、美容整形依存を経て、思えば随分遠くに来たもんだ。
本書は買い物依存からホスト依存への移行期だった2002年の対談の文庫化である。

和田秀樹「いつも誰かと飲んでいる人は、(アルコール)依存症にはまずならない。」
中村「わかりますその気持ち。私も絶対に誰かと買い物に行くのはダメなんですよ。」

原田宗典「鬱病を治そうなんてもう思わない。俺が生きてる間、ずっと抱えて歩く
鞄なんだと思うことにしたよ。時々、重くなったり軽くなったりするだけなんだ…。」

本橋信宏「依存症の人の部屋は散らかっている。大体煙草を吸うが、吸殻にはうるさい」
中村「そうなんですよ。しかし、何なんでしょうね。部屋が汚いのは。」
本橋「あれも自己愛のつもりなのかもしれませんね。周りを囲まれているという。」

中村「私、人の金は遣わないんですよ。自分の稼いだ金でブランド物買うのが醍醐味。」
団鬼六「やっぱり、売るより買う方が好きなんか。それはSやな。」
中村「そうなんです。私のブランド物買いは、先生の書かれるSの心理に似ています。」

中村「世界を変えたがる男と、自分を変えたがる女。少年犯罪vs依存症女の構図になる」
宮台真司「依存症って、一種のプライド維持装置なんですよ。自己信頼が低い人の。」

中村「虚しくないモノがどこかにあると思いたいの。それが私の“神”かもしれない。」
宮台「だから神は死んだんですよ、中村さん。ニーチェが見たら、きっと褒めてくれるよ。」

中村「金遣えば遣うほど、その彼に性的な壁ができていくの。私の心の中で。」
松本侑子「男根恐怖なんじゃないかしら。私もそういうところがあるけど。」

苫米地英人「ホストクラブに行くたびに、中村さんは死を経験しているんですよ。
その死の恐怖が快感をもたらす脳内物質を分泌させるのです。」

“過剰”は哲学に通じる(逆に言えば、過剰さを孕まない哲学はとるに足らない…かも)。
しかし、誰にでも実践出来るものではない…、と中村うさぎを読む度に思いますね。
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by funatoku | 2004-11-23 23:19 | 文庫・新書 | Trackback | Comments(0)

重松清『スポーツを「読む」』集英社新書

39人の“スポーツライター”を論じたこの本の、各篇の冒頭の一文を見てみよう。
「知的な書き手である。」(玉木正之)
「寺山修司にとってのスポーツは、常になにかの代理としてあった。」(寺山修司)
「近藤唯之を論じるには、一冊だけ読めばいい。」(近藤唯之)
「記者とライターの違いについて考えてみたい。」(佐瀬稔)
「大橋巨泉はイバりん坊である。」(大橋巨泉)
「一人称について考えてみたい。」(虫明亜呂無)
「ヒーローはいつも共同体の外部からやってくる。」(金子達仁)
「ゴルフとは、ほんとうに不幸なスポーツだと思う。」(夏坂健)
「まず、著作を買い揃えよ。」(ターザン山本)
こうして引用しながらも、直ぐに続きを読みたくなってくる。見事な導入である。

山際淳司篇。スポーツノンフィクションの歴史は山際以前と山際以後に分けられると提示。
そして出世作「江夏の21球」の雑誌掲載時と単行本収録時の文章の違いを分析。
書きたかったのは「人間の光と影をいかに鮮やかに読者に提示するかの“見せ方”」。
さらに、同時期にデビューした村上春樹の初期文体との類似と、その時代性の限界を指摘、
山際の早世を惜しみつつ終わる。ここに到るまでわずか新書6頁分に過ぎないのだ。

本書は今、最も脂が乗っている作家による、コラム(にして作家論)の至芸なのである。
書名は実に正確なのだが、“スポーツもの”以外の読者を敬遠させないかちょっと心配。
それにしても三島由紀夫と浅草キッドを同じ地平で論じるなんて、誰にも真似出来ませんね。
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by funatoku | 2004-11-22 13:34 | 文庫・新書 | Trackback | Comments(0)