カテゴリ:ジャズ・クラシック( 10 )

リー・リトナーwithジェントル・ソウツ&フレンズ・リユニオン(6/21 21:30 ブルーノート東京)

リー・リトナー(g)
アーニー・ワッツ(ts)
パトリース・ラッシェン(p、key)
エイブラハム・ラボリエル(b)
アレックス・アクーニャ(ds)

先月のデイブ・グルーシンを聴いたら、私のもう一人のフェイバリット・ミュージシャンである
リー・リトナーを聴かないと気持ちの収まりがつかなくなった。しかも、メンバーは伝説のグループ
“ジェントル・ソウツ”の面々である。齢50を過ぎてすっかり大御所の風情が漂うリトナーが、
昔の仲間を迎え、ギター小僧だった70年代に戻れるかどうかが今回の聴きどころだろう。
ただ、ジェントル・ソウツは固定メンバーというより、当時のフュージョン・スターの集合体であり、
1作ごとにメンバーが入れ替わっていた。このメンバーでレコーディングしたことはあったっけな?

1 LIL' BUMPIN'
2 BOSS CITY
3 RIO FUNK
4 P.A.L.S.
5 ETUDE
6 CAPTAIN CARIBE
7 CAPTAIN FINGERS


初めて見るリトナーはフル・アコースティックのギターを持って登場。青の長袖シャツに、Gパン。
ちょっと太ったけど、顔も雰囲気も余り若い頃と変わらない。デビュー当時はまだ学生だった
ラッシェンはすっかり貫禄がついた。白地に音符の入ったブラウス。ラボリエルの髪はすっかり
真っ白になったが、あとの二人はもともとオッサン臭かったので、見た目は余り変わらないかも。
舞台左側にピアノ、右奥にドラム、ドラムの前にベース、中央左にギター、右にサックスという並び。

 ソロはギター、キーボード、ベースの順。リトナーはピックを使ったり、素手で弾いたり、
曲中で細かく使い分けている。キーボードはヤマハのシンセサイザーを、エレクトリック・
ピアノの音に設定しているようで、フェンダー・ローズ風の音も懐かしい。
 ソロはギター、サックス、ピアノ。ラッシェンのピアノ伴奏は、上手いし、的確だし、
もっとスターになってもよかった人だと思うが、ちょっと優等生的なのかなあ。
 ソロはギター、キーボード、サックス。ワッツのソロの中に、旧作「ブレット・トレイン」のメロディが
現われたりするので、長年のファンとしては嬉しくなる。あの曲を吹いていたのもワッツだったな。
 赤いセミ・アコースティックギターに持ち替える。ドラムソロから始まるリトナー節続出の曲。
アクーニャは上手いが割と大雑把な、文字通り“ラテン系”のドラマーで、先月ここで見た
ハーヴィー・メイソンとは対照的。ウェザー・リポート時代の来日公演で、ハイ・ハットで16ビートを
刻んでいたら裏返ってしまったなんていう伝説もある。別に叩けないわけではない…、はずだ。
細かいことには拘らない、陽気な芸風なのである。
 ヤマハのサイレント・ギターなるものを持ち出す。新作のライブDVD「OVERTIME」でも
これを弾いていた。ライブで音の調整が難しいアコースティック・ギターの代わりということか。
アクーニャは箱型のパーカッションの上に座って、ボンゴのように叩いている。
原曲はアコースティック・ギターの小曲だったが、すっかりラテン風になっている。
ソロはギター、ベース、パーカッション、マラカス(ラッシェン)、ピアノの順。
エイブおじさんのベース・ソロ。でっかい掌で弦を叩きまくるチョッパーが実に格好いいな。
 ラッシェンのやけに賑やかなソロピアノから始まって、何の曲かと思いきや…、
キター!70年代フュージョンを代表する名曲である。再びセミ・アコに持ち替えたリトナーは、
ロック風のフレーズや、チャカポコしたリズム・カッティングなど、最近すっかりご無沙汰していた
“リトナー節”を連発。泣かせるねえ。最初に聴いてから、もう30年近いんだなあ…(遠い目)。

アンコールのMCで(勿論英語)「みんな、帰りの電車は大丈夫かい」
「セカンドアルバムの曲です。あの頃、僕らは若くて、(手振りで)こんなに小さかった(笑)」
 これも初期の名演奏。ギター、サックス、ピアノが一糸乱れぬユニゾンで早弾きするサビに、
当時のバンド少年達は驚喜したものだ。楽器をやらない人には、ユニゾンの難しさが
なかなか伝わりにくいようなのだが、彼らの超絶的テクニシャンぶりがよくわかる曲。
ところがサックスソロに入ったところで、ギターアンプの音が切れるというアクシデント。
リトナーは楽器係(?)のマネージャーの姿を探すが、さっきまで脇にいたオッサンがこういう
時に限っていない。ようやくオッサンが戻ってきたが、その前に幸い音は戻ったようで、
ソロはギター&ドラム、キーボードと進んだ。アンコールはこの1曲のみだった。
懐かしくも満足な一日。どうせなら「シュガーローフ・エクスプレス」も聴きたかったな。
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by funatoku | 2005-06-22 02:56 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(2)

「100 GOLD FINGERS part9」(6/5 ゆうぽうと簡易保険ホール)

チケットが売り出されているのに気がつかず、私が買った時には、舞台に向かって右側2階席しか
残っていなかった。ステージは非常にシンプルで、中央にピアノが左右に向かって横向きに2台、
その後ろにドラム・セットとウッド・ベース。舞台後方に看板一つ。それ以外の装飾は一切無い。
トリオでの演奏で、通常ピアニストは客席を右に見る側に座るので、私の席からは連弾以外では
手元が見えないのである。これで左側の座席と同料金とはちと合点がゆかないが…。

ダド・モロニ「Volare」 名前も初めて聞いたが。長身のイタリア人。
ダド・モロニ&ベニー・グリーン「Recado bossa nova」 カルテットでボサノヴァを。
ベニー・グリーン「As long as I live」 ソロ・ピアノでラグタイム風の曲を。
鍵盤見ないで、客席を見ながら弾いたりするのがカッコいい。
ケニー・バロン「We’ll be together again」 ソロ・ピアノでスローな曲を。
       「Night and day」 トリオでアップテンポに。グラディ・テイトが持替用のブラシを
無造作にフロアタムの上に置いているのにビックリ。しかも置いたまま叩いてるの。
エリック・リード「There’s a small hotel」 トリオで、ドラム・ソロをフィーチャー。
エリック・リード&サイラス・チェスナット「Power in the blood」 連弾。ゴスペル風の
曲を途中転調しながら、二人とも両手を交差たりして派手に弾く。今回一番盛り上がった。
サイラス・チェスナット「A Nightingale song in Barkley square」 初めて聴くが、63年
生まれのゴスペル風のピアニスト。真ん丸な体格で、礼服着てるとハンプティ・ダンプティみたい。

秋吉敏子「Lady liberty」 トリオで演奏。ドラムとの掛け合いも。
    「Sophisticated lady」 ソロ。
ドン・フリードマン「I concentrate on you」 ボサノヴァ風の曲。
ドン・フリードマン&シダー・ウォルトン「Like someone in love」 連弾。
シダー・ウォルトン「Darn that dream」 唯一、右側のピアノでソロを弾いてくれた。
ジュニア・マンス「In a sentimental mood」 スローなテンポでソロ。
        「Mood indigo」
レイ・ブライアント「Easy to love」 ソロ。こちらもスローテンポで。
ジュニア・マンス&レイ・ブライアント「Hamps boogie」 一台のピアノを二人で連弾。
マンスが高音。ブライアントが低音担当。さすが息の合った“ブルース・ブラザーズ”ぶりだ。
                  「Slow freight」 カルテットでの演奏。

レイ・ブライアント「yosakoi-bushi~Golden earring」 ソロ。アンコール1曲目に
いきなり「よさこい節」を弾きだすので、どうなることかと心配したが、何とそのまま
名曲「ゴールデン・イアリング」に。曲中にもよさこい節を混ぜたり遊び心たっぷりに。
全員「Take the“A” train」 ソロはブライアント→リード→チェスナット→グリーン
→秋吉→フリードマン→バロン→モロニ→マンス→ウォルトンの順。

ボブ・クランショウ(ベース)
グラディ・テイト(ドラムス)

有名ピアニストが10人集まる二年に一度のお祭で、前回、私は横浜と東京と2箇所で見た。
今回関東地方では今日だけで、5月24日からのツアーの最終日にあたる。
マンス、ブライアントら好きなピアニストが登場するので思わず駆けつけてしまったけれど、
個人的にはこういう興行は好きではない。寄席でいえば、正月初席。ハロプロでいえば1月の
ハロープロジェクト・コンサート、野球でいえば読売巨人軍…。オールスターの顔見世だが、
それぞれの持ち時間が短いので、結果として物足りなさが残るのだ。最若年のエリック・リード
あたりは明らかに力を持て余しちゃって、何となく不満そうだったし…。確かに今まで知らなかった
掘り出し物に出会える良さもあるのだけど(今回の私で言えばチェスナットがそれにあたる)。
90年に始まったコンサートだが、10人まとめて呼んできちゃおうという発想もバブル期っぽい。
70過ぎの老人達もいるのに、町の公民館まで半月近く連れまわすのでなく、回数は少なくても
いいから、じっくり聴かせて欲しいと願うのは私だけなのだろうか。
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by funatoku | 2005-06-05 22:42 | ジャズ・クラシック | Trackback(1) | Comments(0)

ハーヴィー・メイソン・トリオwithデイヴ・グルーシン(5/25 21:30 5/27 19:00 ブルーノート東京)

ハーヴィー・メイソン・トリオ・ウィズ・ヴェリー・スペシャル・ゲスト・デイヴ・グルーシン
ハーヴィー・メイソン(ドラムス)Harvey Mason
デイヴ・グルーシン(ピアノ)Dave Grusin
ダーレック・オールス(ベース) Darek Oles

ブルーノート東京は初めてである。東京在住でジャズ・ファンと称しながら、ここに来た事が無いのは、
新宿末広亭へ行った事が無い落語ファンようなものだ、と思われるかも知れない。
そもそも私は落語はライブ派なのだが、ジャズはCD派で、ライブには余り行かないのである。
まして、このブルーノート東京は料金が高い!8400円もあれば、CDが何枚買えるだろうか。
案の定、来てみれば妙にカップルが多くて、バブル期のような客層(このへん僻みが入ってます)。
それに開演30分以上前に並ばせるとは、とても8000円以上取る客に対する扱いとは思えない。

なのに、何故私はブルーノート東京に来たのか?デイヴ・グルーシンがお目当てなのである。
私のデイヴ・グルーシンに対する思いは、“初恋”に似ているような気がする。
10代の頃、どれほどこの人のピアノに憧れたことだろうか。ソロを口ずさめるほど聴き込んで、
自分でも真似して弾いてみたりした。もう、ああいう風にミュージシャンに惚れることは無いかも。
にもかかわらず、生のデイヴを見たことが無かったのだが、気が付けばデイヴも70歳だ。
「これはいかん」と思い、余り行きたくなかったブルーノート東京に駆けつけたという次第である。
私は終わり近くの番号で案内されたのだが、受付のお姉さんが「お目当てとかございますか」
と尋ねるので、デイヴ・グルーシンだと答えると、彼女ニヤリと笑って、「今週は両サイドに人気が
別れるんですよ」。そして、何と左側最前列、ピアノの真ん前の席に案内されたのである。
先程までの不機嫌もどこへやら、すっかりブルーノート東京が気に入ってしまった(現金だねぇ)。

デイヴ・グルーシンの経歴についてはブルーノート東京のHPを参照して頂きたい。
ジャズ・プレイヤーにとどまらず、映画音楽家としてもグラミー賞常連の大御所で、
私がハマったころは、「カリフォルニア・シャワー」など渡辺貞夫のアレンジャーとして活躍しており、
ヤマハの「ベルーガ」というスクーターのTVCMに二人で出演したりしていた。
初めて見るデイヴは地味なグレーの背広、グレーの丸首シャツ、黒のスニーカーという出で立ち。
40代から老眼鏡をかけたり、元々ちょっと老けたタイプなので、印象は昔とそれほど変わらない。

1 BLUES FOR HOWARD ドラムが刻むリズム・パターンが印象的なオープニング曲。
2 STELLA ブラシを使ったり、ドラム・ソロをフィーチャー。
3 MIDNIGHT STROLL ベース・ソロのイントロから始まる曲。
4 FASCINATING RHYTHM イントロではティンパニのバチを使ったドラム・ソロを。
5 THE HEART IS A LONLEY HUNTER デイヴの映画音楽の名曲をピアノ・ソロで。
6 ONE MORNING IN MAY 3拍子の曲。エンディングの3人の掛け合いが楽しい。
7 MOUNTAIN DANCE ピアノ・ソロを大きくフィーチャーしたエンディング曲。
8 THAT NIGHT ここからアンコール曲。スローナンバー。
9 SWAMP FIRE ラストはリズミカルな曲。

いやー、感動しました。だって私の目の前で本人が“グルーシン節”を弾きまくっているんだもの。
左手の使い方が独特で、それが彼ならではのノリを生み出すのだ。
左足では細かくリズムをとり、右足のサスティン・ペダルはそれほどそれ程使っていない。
7曲目「マウンテン・ダンス」は79年発売のアルバムのタイトル・ナンバーで、私のお気に入り。
アルバムではデイヴがピアノ、シンセサイザーで長いソロをとるのだが、これが不思議なソロで、
殆ど単音でメジャー・スケール、すなわち(この曲の場合)白鍵だけを弾いているのである。
計算され尽くした興奮とでもいうのか、“端正”という言葉がピッタリする素晴らしいソロだった。
今回はさすがに白鍵だけということはなく、黒鍵を使いブルースっぽいフレーズも交ぜている。

今回のリーダー、ハーヴィー・メイソンは、一音一音を全て意識的に叩く人というイメージがある。
今回見ていて気付いたのだが、ドラム・スティックの頭と尻を頻繁に持ち替えて音を変えている。
それ以外にも、上述のティンパニの撥、ブラシ、菜箸を数本束ねたようなものなどに持ち替えて、
さらにシンバルやスネアを叩く位置によって音を変えている。ブラシでシンバルの裏側を叩いていた
のには驚いた。ドラムの音を知り尽くし、更にあらゆる可能性を追求しているということだろう。
正に“ドラム・マスター”に相応しい存在である。

会場には杏里嬢も来ていて、MCでデイヴから紹介されていた。私は“共演”以来か(笑)。b0058309_16243973.jpgb0058309_1625851.jpg







(追記)
金曜日夕方、「久保田・翠壽」をご馳走になり、4合瓶を一人で空けたら、すっかり気宇壮大に
なってしまい、また青山に駆けつけた。もう一度、生で「マウンテン・ダンス」が聴きたかったのだ。
前々日より空いていたとはいえ、前回と同じピアノ前の特等席に案内されたのには驚いた。
セットリストは若干入れ替わっていたようだが、酔っ払っていたのでメモをとっていない。

やっぱり「マウンテン・ダンス」は名曲だなあ。上で書き忘れたが、オリジナル曲のドラムも
ハーヴィー・メイソンが担当しており、徐々に音数を増やしながらピアノ・ソロを盛り上げる名演。
84年には「恋に落ちて」(主演:ロバート・デニーロ、メリル・ストリープ)という映画のテーマ曲に
なったらしい。私はデイヴ・ファンの癖に見たこと無い、というか最近まで知らなかったのだが。
この晩もハーヴィーの“煽り”に乗って、デイヴのピアノはよく歌う。

2回ステージの場合、どうしても1回目はちょっとセーブした感じになるけど、やはり来て良かった。
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by funatoku | 2005-05-26 14:45 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(2)

向井滋春「PLEASURE」(Columbia)

「後悔先に立たず」とはよく言ったもので、本でもCDでも気になった時に買っておかないと、
もうなかなか手に入らないということが結構あるが、私にとってこのCDはそれにあたる。
80年の発売時に貸しレコード屋で借りて、カセット・テープに録音し、すっかり気に入っていた。
当時の小遣いで2500円のLPレコードを買うということは、なかなか出来なかったのだが、
その後CD時代になっても、このアルバムは一向にCD化されず、私にとっての“幻の一枚”に
なっていたのである。その間、何と四半世紀。いや、長生きはしてみるもんである。

このアルバムはフュージョンの隠れた名盤である。今回はオリジナル盤のライナー・ノートが
収録されていて、それには「余り出来が良くない」という意味のことが書かれているのだが、
確かに向井のトロンボーンに関しては、ベストとは言い難い出来なのだろうと思う。
しかし、それを補って余りあるほど、バックのミュージシャン達の演奏が充実しているのだ。
松岡直也(key、arr、produce)、ウォーレン・バーンハート(key)、ホルヘ・ダルト(key)、
ジェフ・ミロノフ(g)、ニ-ル・ジェイスン(b)、スティーブ・ガッド(ds)、ラファエル・クルーズ(per)、
ナナ・ヴァスコンセロス(per)、ゲスト:川崎燎(g)。

フュージョン・オール・スターズのようなメンバーだが、特にスティーブ・ガッドが絶好調。
1曲目「ドラゴン・ファナティック」は、ニューヨーク風ラテン・フュージョンという曲調で、
こういう曲を叩かせたら右に出る者はいない。ギター・ソロ部分のリズム・パターンなど
バッキングであるにもかかわらず、デモーニッシュな凄味すら感じさせる名演。
また、ジェフ・ミロノフ入魂のギター・ソロが素晴らしい。この人は地味なスタジオ・ミュージシャンで、
ソロ・アルバムなどは出していないはずだが、とにかく曲調を大切にした、自己主張が煩くないソロを
聴かせてくれるので、私は大ファン。渡辺貞夫「モーニング・アイランド」「オレンジ・エクスプレス」、
デイブ・グルーシン「マウンテン・ダンス」といったこの時期のフュージョン名盤でも脇を固めている。

6曲目、7曲目は当時ラジオでもかかっていたのを覚えている。特に7曲目「ハドソン・ブリーズ」は、
スティーブ・ガッドの煽りまくるドラムに触発されて、向井のトロンボーン・ソロも伸びやか。

1. DRAGON FANATIC
2. WIND BELL
3. MIRAGE
4. STILL MISS YOU
5. FROM THE LONLY AFTERNOON
6. DON’T TOUCH MY MUSTACHE
7. HUDSON BREEZE
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by funatoku | 2005-04-28 01:03 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(2)

ジャガーノート・ビッグ・バンド(3/4 江古田BUDDY)

Alto Sax  村松   昇    Trombone  Fred Simmons
Alto Sax  萱生 昌樹    Trombone  Patrick Hallaran
Tenor Sax  市原 宏祐   Trombone  佐藤 洋樹
Tenor Sax  中村 誠一   Bass Trombone  堂本 雅樹
Bariton Sax  上 幸一郎  Piano  松本 憲靖
Trumpet  横山   均     Guitar  桜田 久男
Trumpet  石井   真    Bass  和田 弘志
Trumpet  外山 昭彦    Drums  丹   寧臣
Trumpet  奥村   晶    Vocal  WILLIAM SILK、 リトル・エミー
Trumpet  羽尾 知也    Conduct  藤崎 邦夫

プロ奏者18人によるビッグバンド。作・編曲を手がけるリーダー藤崎邦夫さんは、1944年生まれ。
国立音大卒業後、高橋達也と東京ユニオン、宮間利之とニューハード等のトランペッターを経て、
サド・ジョーンズやボブ・フローレンスに師事したフリーの作曲家・アレンジャー。このジャガーノート
は87年から活動を開始したが、メンバーは必ずしも固定されていないようだ。

今回、アンコールを含めて17曲演奏したが、数曲を除いて自作曲のようだった。
ようだ、とはっきりしないのは、曲名のアナウンスが無い曲が多くて判別つかないのだ。
1曲目、アップテンポなブルース、2,3曲目はスローナンバー。4曲目は「バイバイ・ブラックバード」
で、5曲目はピアノをフィーチャーしたブギウギ。6、7曲目に日本人女性ヴォーカルが加わり、
8曲目はスタンリー・タレンタインの「シュガー」。ここで30分の休憩が入り、9曲目はミデイアム・
テンポの曲、10曲目は「ソーイング」というオリジナル。11曲目はスタンダードの「ボディ&ソウル」、
12曲目はフルートをフィーチャーしたボサノバ風の「プリティ」、13曲目はドラムが大活躍する
「ドラム・スクワット」なる曲。14、15曲目は白人男性ヴォーカルをフィーチャーし、そしてラスト
16曲目「123」なる曲は3拍子から始まる長い曲。そしてアンコール曲へとなだれ込む。

プロ奏者ともなるとなかなか全員集まることは難しいようで、今回のトロンボーンはほとんど
初見なのだという。それでもしっかりまとめてくるところがさすがプロである。
ソロで印象に残ったのは、「ボディ&ソウル」での中村誠一さんのクラリネット・ソロ。
70年代に山下洋輔トリオで旋風を巻き起こし、その後もジャズの第一線で活躍している
トップ・ミュージシャンで、洗足学園大学教授。「今夜は最高」などのテレビでご存知の方も多い
だろう。豪快なテナー・サックスで知られるが、クラリネットの音色も美しく、これを聴いただけでも
雪がちらつく中、来た甲斐があったというものである。

http://www.j-jazz.net/
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by funatoku | 2005-03-05 15:37 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(0)

イエロー・ジャケッツ「peace round」(HEADS UP)

イエロージャケッツとは懐かしい。デビューアルバム「yellow jackets」が出たのは
81年のようだから、もう四半世紀近く前だ。フュージョン・ギタリストのロベン・フォードが
結成したのに、なぜか初期からロベンは“ゲスト”としてクレジットされていたりして、
キーボードのラッセル・フェランテがグループの音楽面をリードしている印象が強かった。

83年に発売されたアルバム「Mirage a Trois(邦題・マリブの旋風)」は、
フュージョンの頂点の一角を成す屈指の名盤と言えるだろう。私の愛聴盤でもあります。
しかし、私はその後については余り把握しておらず、このアルバムの発売で
まだ続いていることを知ったくらい。勿論彼らが活躍していなかったということではなくて、
私の興味の中心がフュージョンから4ビート・ジャズに移っていったせいだと思います。

だから、ロベン・フォードが抜け、テナー・サックスのボブ・ミンツァーが加入していることも
知らなかったのだが、サウンドは随分様変わりしており、ちょっとした浦島太郎気分。
シンセサイザーの使用を押さえ、生ピアノを多用するなど、フュージョン色が薄れて、
よりジャズっぽさが前面に出ているのだ。コンテンポラリー・ジャズという範疇でしょうね。

1.Little Drummer Boy
2.Silent Night
3.Deck The Halls
4.Have Yourself A Merry Little Christmas
5.Peace Round
6.The First Noel
7.God Rest Ye Merry Gentlemen
8.Oh Little Town Of Bethlehem
9.Winter Wonderland
10.In A Silent Night

どれも好演奏揃いだが、特に私が気に入ったのは、オリジナル・メンバーの一人である
ジミー・ハスリップのベースが格好いい1、マーカス・ベイラーのドラムスが冴える3、
唯一ヴォーカルが入る6、ボブとラッセルのデュオ曲の9、あたりかな。
まあ当然といえば当然なのだが、よく聴けばピアノには懐かしいフェランテ節続出である。
10は「Silent Night」を、マイルス・デイビスの演奏で知られる「In A Silentway」風の
アレンジで演奏するというダジャレのような企画だが、これもなかなか良い出来。

クリスマス・アルバムのような企画物では、どれだけオリジナリティを出せているのかが
聴き所になるけど、これは別にクリスマスを意識しなくても楽しめる上質なジャズである。
というか、タイトルを見ても原曲が浮かばないのが多いんですよ、私の場合は…。
クリスマス過ぎにクリスマス・アルバムの紹介とは、季節感があるんだか無いんだか。
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by funatoku | 2004-12-27 23:09 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(0)

ジュニア・マンス・トリオ「ソウル・アイズ」(M&I)

ジュニア・マンスはバド・パウエル派のハード・バップ・ピアニストであり、
12/7に紹介したハンク・ジョーンズと同じカテゴリーに入るのだが、芸風は随分違う。
ゴスペルやブルースの影響を強く受けており、黒人らしさを前面に出すタイプなのだ。
ハンク・ジョーンズが洗練されたスタイルでジャズの主流を歩いてきたとすれば、
ジュニア・マンスはその泥臭さを熱心なファンに支持されてきたタイプ。

そしてマンスとよく比較される、ゴスペル・スタイルのジャズ・ピアニストがもう一人いる。
レイ・ブライアントである。
ブライアントの方は歌伴もこなす器用さがあるが、まあ同じスタイルと言っていい。
恐らくアメリカ以上に、日本に熱心なファンが多いという点も似ているのである。

そして、二人の共演を見たいという日本のジャズ・ファンの願いを叶えたのが、
90年以来、8回開催されてきた「100ゴールド・フィンガーズ」である。
10人の人気ピアニストが来日するこのコンサートに、二人とも連続出演中なのだ。
私は昨年横浜と東京で見たのだが、マンス74歳、ブライアント71歳、両御大の連弾での
楽しげな姿が今も目に焼き付いている。スタイルは近いがライバルというより親友。
解説によれば、本人達も「ブルース・ブラザーズ」なんて称して、楽しみにしているらしい。
来年の来日も決まっているそうで、二人の大ファンである私は今から楽しみで仕方がない。

このアルバムは今年四月のスタジオ録音。マンスの代表作の「ジュビレーション」
が目を引く。ゴスペル、ソウルテイスト満載のマンス節には思わず心浮き立つ。
この曲、ライブ盤には何度か収録されてきたが、スタジオ録音は40年ぶりだという。
「ファンキー・カーニバル」はアルバムの表題になったこともあるオリジナル曲。
他に「テイク・ファイブ」「A列車で行こう」などの有名曲も収録されている。

あとドラムスのアイドリス・ムハマッド。聞いたことがある名前だと思ったら、
タッパンジー・レーベル時代のボブ・ジェームス(p)のアルバムによく参加していた人だった。
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by funatoku | 2004-12-14 01:27 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(0)

グレイト・ジャズ・トリオ「ス・ワンダフル」(Village)

ビッグ・バンドで一世を風靡したサド・ジョーンズ、ジャズドラムの第一線を
走り続けたエルヴィン・ジョーンズ。今は亡き二人のジャズ・ジャイアントの弟に
比べると長兄のピアニスト、ハンク・ジョーンズはやや地味な存在ではある。

そのハンク率いるグレイト・ジャズ・トリオは結成30年になるのだが、
2年ぶりとなる最新アルバムが発売された。今春来日していたそうなのだが、
私は気がつかなかった。是非見たかったなぁ。ハンク・ジョーンズ御年86歳なのだ。

ハンクのピアノは穏和にして柔軟で、強烈な個性を前面に出すタイプではなく、
このアルバムでも「モーニン」「酒とバラの日々」といった名曲を楽し気に弾いている。
じっくり聴くも良し、通勤のBGMで聞くも良し、安心して人に薦められる一枚である。

余談になるが私は若い頃、ハンク・ジョーンズを食わず嫌いだった時期がある。
だって貴方、コンプレックス多き青春時代に、自ら“グレイト”なんて名乗るオッサンを
聴こうなんて思いますか?今となっては冗談のような話なのだが、本当である。
今、彼の上品で節度のある音を聴いていると、とてもグレイトと自称する人とは思えない。
これは「グレイトなジャズトリオ」ではなく、「グレイトなジャズを演奏するトリオ」と
読んだ方がいいのかも知れない、などと英語音痴の私は勝手に考えているのである。
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by funatoku | 2004-12-07 19:38 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(0)

カシオペアvsザ・スクエア「LIVE」(Village)

カシオペアスクエアと言えば、共に70年代末にデビューしたフュージョングループ。
そもそもフュージョンというジャンル自体が、普段一番耳にしているにもかかわらず、
ジャズ側からもロック側からも低い評価をされがちという矛盾をはらんだ存在。
四半世紀以上、シーンの第一線で活躍し続けているのは、偉業としか言いようがない。

上の世代のフュージョン・プレイヤーたちがジャズ歴が長かったり、スタジオ出身
なのに対して、彼らはフュージョンでデビューしたと言って良く、そういう意味では
新世代の純粋フュージョン・ミュージシャンとして脚光を浴びたのである。

十代でフュージョンの洗礼を浴びた私は、このジャンルには思い入れが強いし、
80年代初頭はこの二組を随分聴いたものだが、その後は良いリスナーだったとは言えず、
実は誰が今のメンバーなのかも知らなかった。このCDは昨年11月の共演盤。

で、今回聴いてみたらホントに変わってない。知らない曲ですら懐かしいくらい。
ブランクが空いたのは、いつでも聴けるという安心感があったせいかも知れません。
安藤正容の髪はすっかり真っ白になったけど、サウンドは相変わらず若々しいしねぇ。

1 Omens of love→しばらく前は高校吹奏楽の定番でしたね。メロディアスな名曲。
総勢10人での演奏は重量感があって迫力満点なのに、互いの音が邪魔しないのがさすが。
7 勇者 8 Mid Manhattan→神保彰と則竹裕之のドラム合戦は、息がピッタリと合い、
まるで腕が四本ある人が一人で叩いているみたい。則竹は神保に憧れていたらしい。
12 Fightman→各人のソロ回しの曲。こういうのは特にライブで聴きたいですね。

私はこのアルバムを当時を知らない20代の友人に薦められて聴くことにしたのだが、
彼がリズムセクションの凄まじいテクニックに感心していたのが、逆に興味深かった。
近年のように打込リズム全盛時代だからこそ、生身のミュージシャンの凄味が光るのかな。
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by funatoku | 2004-12-03 22:25 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(0)

岩城宏之の“偉業”

いやはや、世の中には大変な人がいればいたものである。
ベートーヴェンの交響曲を第一から第九まで、大みそか一日で全曲指揮するのだという。

「一曲ごとに無我夢中でやっていた二、三十年前だったら間違いなく死んでるでしょうね。
三年後だとさすがに出来ないんじゃないか。自分で言うのも変だけど今が旬なんです」
「途中で力尽きて死ぬのも本望」と語る岩城先生御年72歳。格好良過ぎである。
でも、付き合うN響メンバーの皆さんも大変だ。殉死者が出なきゃいいのだが…。

歴史的壮挙を是非目撃したいのだが、残念ながら聴いてるこちらの集中力が続かない。
歌舞伎の幕見席みたいに、“一曲聴き”のチケットを発売してくれれば良かったのに…。
(一曲だけなら第七あたりを聴いてみたい気がしますね)
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by funatoku | 2004-11-19 01:32 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(0)