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新幹線「のぞみ」の名付け親は阿川佐和子

「週刊文春」07年3月15日号、葛西敬之氏(JR東海会長)と阿川佐和子さん(エッセイスト)の対談(阿川佐和子のこの人に会いたい)の冒頭部分から引用。

葛西 新幹線の「のぞみ」は阿川さんが命名されたんですよね。ご記憶ありますか?
阿川 深くありますっ!名前を決める委員に選ばれて伺ったら、すでに「希望」「きらら」「つばめ」「エース」などの候補が幾つかあって……。
葛西 二十ぐらいあったんですね。
阿川 私はノーアイディアだったから列車好きの父に相談したところ、「一つだけ言っておく。日本国鉄の列車の名前は歴代すべて大和言葉でつけられてきた。候補の中では『つばめ』しかないなあ」と。でも「ひかり」より速い新幹線が「つばめ」ってわけにもいかないって話になり……。
葛西 僕もそう思いました(笑)。ただ漢語も英語もカタカナもよくなくて、伝統を守ったほうがいいという阿川さんのお父さまのご意見はその通りだとも思っていました。
阿川 委員会では「希望」と「太陽」が有力候補になっていたんですが、私が最後に「一応父からの伝言なんですけど、日本の列車の名前は大和言葉で付けられてきたそうです。『希望』を大和言葉にすると『のぞみ』ですね」とだけ申し上げたんですよ。そうしたら「あ、そうですね。考慮に入れておきましょう」と。まさかそれが受け入れられるとは思ってなかったから、決まったときは「ウソッ、どうしよう!?」って慌てました(笑)。
葛西 僕は「のぞみ」は速度に関係ないコンセプトなのが、非常にいいと思いました。
阿川 今だから言えるようになったけど、最初の頃は友達が「今度の新幹線『のぞみ』だってさ。ダサ~い!」とかバカにしてたから、私がつけましたっていえなかった(笑)。
葛西 お陰さまで「のぞみ」がすっかり定着してよかったです。
阿川 名前って定着するもんですねえ。(後略)


知らなかった。この連載は全部書籍には収録されないようですが、日本鉄道史の一級史料ですね。
「きぼう」は昭和34~46年に運行された修学旅行専用列車名、「太陽」は前例が無い。
でも、この委員会に鉄道ファンの阿川弘之氏ではなく娘の佐和子さんを呼んだのは何故かな。
by funatoku | 2007-03-12 00:24 | 旅日記・温泉・鉄道 | Trackback | Comments(0)


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