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リー・リトナーwithジェントル・ソウツ&フレンズ・リユニオン(6/21 21:30 ブルーノート東京)

リー・リトナー(g)
アーニー・ワッツ(ts)
パトリース・ラッシェン(p、key)
エイブラハム・ラボリエル(b)
アレックス・アクーニャ(ds)

先月のデイブ・グルーシンを聴いたら、私のもう一人のフェイバリット・ミュージシャンである
リー・リトナーを聴かないと気持ちの収まりがつかなくなった。しかも、メンバーは伝説のグループ
“ジェントル・ソウツ”の面々である。齢50を過ぎてすっかり大御所の風情が漂うリトナーが、
昔の仲間を迎え、ギター小僧だった70年代に戻れるかどうかが今回の聴きどころだろう。
ただ、ジェントル・ソウツは固定メンバーというより、当時のフュージョン・スターの集合体であり、
1作ごとにメンバーが入れ替わっていた。このメンバーでレコーディングしたことはあったっけな?

1 LIL' BUMPIN'
2 BOSS CITY
3 RIO FUNK
4 P.A.L.S.
5 ETUDE
6 CAPTAIN CARIBE
7 CAPTAIN FINGERS


初めて見るリトナーはフル・アコースティックのギターを持って登場。青の長袖シャツに、Gパン。
ちょっと太ったけど、顔も雰囲気も余り若い頃と変わらない。デビュー当時はまだ学生だった
ラッシェンはすっかり貫禄がついた。白地に音符の入ったブラウス。ラボリエルの髪はすっかり
真っ白になったが、あとの二人はもともとオッサン臭かったので、見た目は余り変わらないかも。
舞台左側にピアノ、右奥にドラム、ドラムの前にベース、中央左にギター、右にサックスという並び。

 ソロはギター、キーボード、ベースの順。リトナーはピックを使ったり、素手で弾いたり、
曲中で細かく使い分けている。キーボードはヤマハのシンセサイザーを、エレクトリック・
ピアノの音に設定しているようで、フェンダー・ローズ風の音も懐かしい。
 ソロはギター、サックス、ピアノ。ラッシェンのピアノ伴奏は、上手いし、的確だし、
もっとスターになってもよかった人だと思うが、ちょっと優等生的なのかなあ。
 ソロはギター、キーボード、サックス。ワッツのソロの中に、旧作「ブレット・トレイン」のメロディが
現われたりするので、長年のファンとしては嬉しくなる。あの曲を吹いていたのもワッツだったな。
 赤いセミ・アコースティックギターに持ち替える。ドラムソロから始まるリトナー節続出の曲。
アクーニャは上手いが割と大雑把な、文字通り“ラテン系”のドラマーで、先月ここで見た
ハーヴィー・メイソンとは対照的。ウェザー・リポート時代の来日公演で、ハイ・ハットで16ビートを
刻んでいたら裏返ってしまったなんていう伝説もある。別に叩けないわけではない…、はずだ。
細かいことには拘らない、陽気な芸風なのである。
 ヤマハのサイレント・ギターなるものを持ち出す。新作のライブDVD「OVERTIME」でも
これを弾いていた。ライブで音の調整が難しいアコースティック・ギターの代わりということか。
アクーニャは箱型のパーカッションの上に座って、ボンゴのように叩いている。
原曲はアコースティック・ギターの小曲だったが、すっかりラテン風になっている。
ソロはギター、ベース、パーカッション、マラカス(ラッシェン)、ピアノの順。
エイブおじさんのベース・ソロ。でっかい掌で弦を叩きまくるチョッパーが実に格好いいな。
 ラッシェンのやけに賑やかなソロピアノから始まって、何の曲かと思いきや…、
キター!70年代フュージョンを代表する名曲である。再びセミ・アコに持ち替えたリトナーは、
ロック風のフレーズや、チャカポコしたリズム・カッティングなど、最近すっかりご無沙汰していた
“リトナー節”を連発。泣かせるねえ。最初に聴いてから、もう30年近いんだなあ…(遠い目)。

アンコールのMCで(勿論英語)「みんな、帰りの電車は大丈夫かい」
「セカンドアルバムの曲です。あの頃、僕らは若くて、(手振りで)こんなに小さかった(笑)」
 これも初期の名演奏。ギター、サックス、ピアノが一糸乱れぬユニゾンで早弾きするサビに、
当時のバンド少年達は驚喜したものだ。楽器をやらない人には、ユニゾンの難しさが
なかなか伝わりにくいようなのだが、彼らの超絶的テクニシャンぶりがよくわかる曲。
ところがサックスソロに入ったところで、ギターアンプの音が切れるというアクシデント。
リトナーは楽器係(?)のマネージャーの姿を探すが、さっきまで脇にいたオッサンがこういう
時に限っていない。ようやくオッサンが戻ってきたが、その前に幸い音は戻ったようで、
ソロはギター&ドラム、キーボードと進んだ。アンコールはこの1曲のみだった。
懐かしくも満足な一日。どうせなら「シュガーローフ・エクスプレス」も聴きたかったな。
リー・リトナーwithジェントル・ソウツ&フレンズ・リユニオン(6/21 21:30 ブルーノート東京)_b0058309_33406.jpg

by funatoku | 2005-06-22 02:56 | ジャズ・クラシック | Trackback | Comments(2)
Commented by hiroshimono at 2005-06-22 09:32 x
こんにちは、funatokuさん。
リトナーの公演も見てこられたんですね。まことに羨ましい。。

今回の彼のツアーは大阪には来てくれなかったので、
funatokuさんのライブリポートにより、見てきた気分を
味わっております。

ベースは、アンソニー・ジャクソンでなくエイブでしたか。
また、飛び跳ねてたんでしょうね、きっと(笑)。
DVDでは、キャプテン・フィンガーズは少しテンポダウンした感じ
でしたが、ライブではスピード感ありましたか?

P.ラッシェン参加なら、おっしゃるとおりシュガーローフ~もほしいですね。
こういう話を聴くと、久々に楽器を触りたくなってきました。
Commented by funatoku at 2005-06-22 21:41
こんにちは。エイブはとび跳ねてましたよ、あの巨体で(笑)。
DVDの「キャプテン・フィンガーズ」は、確かにかつての疾走感に乏しい気がしますね。
今回は、ライブで見たせいか、テンポの遅さはそれほど気になりませんでした。
ただ、ユニゾン部分のスピード感より、各人のアドリブを重視した演奏だったかも知れません。
あと、あのDVDは各楽器の音のバランスが余り良くない気がします。
(今、DVDを見てしまうと記憶が上書保存されそうなので、見てませんが…)

「シュガーローフ~」のラッシェンは正に才気煥発の名演奏でしたよね。
このアクーニャ、ラボリエルのリズム隊で聴いてみたかったです。

hiroshimonoさんにお薦め頂いた「恋におちて」DVDを買いました(¥1575)。
これから楽しみに見たいと思います。有難うございました。


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