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下丸子らくご倶楽部(11/26 大田区民プラザ)

フリートークで現れた志らく師匠のウエストが、何だかすっきりしたなと思ったら、
8㎏痩せたそうだ。ダイエットではなく、しばらく体調不良だったらしいが。

志らくはまず昨日まで上演していた芝居の話。兄弟子の談四楼は終演後泣いていたとか。
「落語は孤独な仕事。芝居の共同作業の達成感は60近い落語家が泣くほどなんです。」
「落語家は集まれば仲間の悪口。でも花緑は人の悪口を言わないし、言われない。」
花緑はコマ劇場でマツケンサンバを見てきた話から、母親がヨン様にハマった話。

柳家花緑「そば清」俳優をしてる兄の話や、その兄と最近行った祭の見世物小屋で、
蛇女を見た話でたっぷりとマクラ。ちなみに蛇女は、生きた蛇をそのまま囓るらしい。
本題に入ると、いやー、速いのなんの。会話も刈り込んであるようで、
「この蕎麦と(ズル)いうものは(ズル)体調に(ズル)左右される(ズル)…」と快調に蕎麦を食う。
さすがに最後近くは速度を落とし、表情で笑わすあたりは、亡き小さんの面影が…。
サゲは「パッと見ると清兵衛さんだけが溶けて、蕎麦が羽織を着ておりました。」
志らくの疾走感と小さんの表情を併せた感じ。これが今の花緑らしさなのかも知れない。

立川笑志「狸賽」マクラでは奈良の少女誘拐殺人にふれ、「犯人は宮崎勤のような
変態と言われておりますが、写真を見る限り…………、宮崎の方が趣味がいい」
子狸は職人風の喋り方。実は進行が20分遅れていたのだが、サラリと前座噺。
センスの悪い奴に限って、こういう時にでしゃばってトリの時間を減らすんですね。

立川志らく「崇徳院」熊五郎が志らく得意の“パワフルな危ないヤツ”になっている。
私はこれが大好きで、登場してくるだけで、もう可笑しくって仕方がない。
志ん五師匠が与太郎をやらなくなってしまった今、私が思う最強キャラの一人だ。
著書「全身落語家読本」で高く評価していた馬生のくすぐりをアレンジしたみたい。
若旦那の説明聞いた熊さん「英語?」。旦那にそのまま伝えたら理解され「英語上手いね」。
こうして書いても、何のことやら分かりませんが…。志らくワールドに引き込んだ一席。

毎月末金曜夜に志らく、花緑が出演して、当日券1800円という穴場である。
by funatoku | 2004-11-27 00:23 | 落語 | Trackback | Comments(0)


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